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2016年12月21日20:58

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少年だもの。

子供の頃の話をしよう。

私が子供と呼ばれていた頃、私の世界は自宅から半径数百メートルの範囲で完結していた。

友人は皆近所に住んでいたし、親戚や怖い隣人、口うるさいお爺さんなんかも半径数百メートルの中で交流していたし、時には喧嘩もしたし、子供ながらにいろいろなことを語り合ったりもした。
蜂に刺されたり、突然殴られたり、嫌な思い出も含め、この半径数百メートルのスモールワールドにいろいろ詰まっている。

例えば、基本的には住宅地であったスモールワールドの中でも駄菓子屋が3件ほどあったように記憶しているが、ある日消費税が導入された年、消費税がかかるお店とかからないお店があって、子供ながらに何故だろうと子供ながらに不審に思ったものだ。

そんなスモールワールドだけれど、少しずつ拡がっていて、それは地道な開拓作業に他ならない。
ある日自転車で、ほんの少しだけスモールワールドから外れた駄菓子屋まで開拓をしたのだけど、その店で買った紐飴を咥えながら自転車で走っているときのこと。初めて通る道で小さな鳴き声が聞こえた。周りを見渡すと、草木の陰にダンボールがあって、白い子猫が、眼も未だ開かないような白い子猫を見つけたんだ。
ニャーとか細い声で鳴いている。呼ばれている気がした。
当時私の家では猫が4匹ほどいたのだが、一切の迷いなく、私はその白い猫を拾い上げ、自転車はカゴがないタイプだったので、着ていたTシャツの中に子猫を入れて連れ帰った。言うまでもなく、子猫は怖かったんだろう。私の腹などに爪を立てて抵抗していたみたいで、あとで服を脱いだら、結構血まみれな状態だった。

その日は、当然のように両親に大目玉を食らい、それでも飼うと戦ったのだけど、あの時の行動動機はなんだったんだろうか。
確かに可愛かったのだけど、それを理由とするには少し弱い。おそらくは、開拓地でのふとした出会いに特別な意味を持ちたかったんだろう。
少年だもの。ドラマティックな展開が好き。本当に安易。もう一度MOTHERやりたい。

もちろん。立派に今もその魂は忘れていない。

さて。あの猫は今どうしているのか。暫くうちにいた後、姿をくらましたんだよなぁ。
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