…「DECEMBER'S CHILDREN」/THE ROLLING STONES
THE ROLLING STONESが最近、元気だ。
最新作「BLUE & LONESOME」を発表したし、ミック・ジャガーは私生活でも元気いっぱいだ。
ロック創成期から活躍しているバンドが現在も元気なのは、嬉しい。
THE ROLLING STONESというと、その活動期間の長さもあり、数多くの名盤を残している。
それもあり、人によって、彼らの好きなアルバムというのは違うんじゃないだろうか。
僕はTHE ROLLING STONESといえば、デッカ時代だ。
彼らの作品のうち、僕が手に取る8割がデッカ時代だといってもいいと思う。
僕は、THE ROLLING STONESのデビュー当時、いぶし銀の渋さと、若者ならではの溌剌とした刺激的な演奏が融合した、あのギラギラしたサウンドがいまだに大好き。
THE ROLLING STONESのデッカ時代は英国と米国でリリースされる作品が違ったりして戸惑ってしまうので、おススメが難しいんだけど、どれもとても魅力的だと思う。
デビュー当時のTHE ROLLING STONESは、ティーンにブルースの素晴らしさを伝えるのが自分たちの使命だと思っていた、と語っていたと言われるが、まさにその言葉通り、オリジナルにこだわらず、ブルースのカバーを中心に作品を発表している。
そのどれもが退屈にならず、現在聞いても刺激的なガージロックな音になっているのは、見事だ。
その後、「AFTERMATH」あたりからはブルースの枠にはとどまらない幅広い音楽性を披露することになるが、それらのアルバムもどれも魅力的。
特にアルバムジャケットのデザインやサイケデリックな作風もありTHE BEATLESの「Sgt.PEPPERS LONELY HEARTS CLUB BAND」の二番煎じとの酷評を受けた「THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST」は、その評価だけではもったいなさすぎる素晴らしいメロディとキラキラサウンドに溢れた名盤で、ミックのソウルフルなボーカルや、キースのユニークなギター、ブライアンの多才さはTHE BEATLESにはない魅力が確かにあるのではないかと思う。
このアルバムを経て、一皮もふた皮も剥けたTHE ROLLING STONESは神盤「BEGGARS BANQUET」、「LET IT BLEED」を発表し、いよいよロックの頂点に立っていく。
その紆余曲折を得ながら、転がる石のように上り詰めていくデッカ時代のTHE ROLLING STONESの危険な魅力が、僕にはいまだに新鮮に聴こえる。
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