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2016年12月15日01:40

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「胸騒ぎのシチリア」 「聖の青春」 「エル・クラン」 「pk ピーケイ」

「胸騒ぎのシチリア」 ’15 (伊・仏)

監督:ルカ・グァダニー
m:マティアス・スーナールツ,レイフ・ファインズ
f :ティルダ・スウィントン,ダコタ・ジョンソン

アラン・ドロン,ロミー・シュナイダー,モーリス・ロネ,ジェーン・バーキンによる
『太陽が知っている』(’69)のリメイク。
たぶん観たことがあるような気がするが…全く覚えてない…。
元のお話を覚えていないが
ヒロインのロック歌手が喉の手術のため声が出せない―という設定が効いている。
いいことも悪いことも
声に出して喋ることができないからだ。
シチリアの火山島で繰り広げられるのは
疑心と嫉妬と扇情に愛が攪乱されるさまで、
それがいかにもファッショナブルに描かれている。
Dior の衣装を着るティルダ・スウィントンが華麗だが
ロックミュージシャンがオフではDior を着るのか…?
その前に
ティルダ・スウィントンはロック歌手に見えないなー…
それは元パートナーを演じるレイフ・ファインズもそうで、
この熟年男女は怜悧なインテリにしか見えないのよ。
ロックミュージシャンがインテリじゃないとは言わないが
この二人はタキシードにローブデコルテで
シャンパングラスを片手にイロニックに音楽の知識を披露する…
そんな感じがするもので…(笑)。





「聖の青春」 ’16

監督:森義隆 脚本:向井康介 原作:大崎善生
m:松山ケンイチ,東出昌大,染谷将太,リリー・フランキー

棋士 村山聖の物語は
彼の“人間”と清冽な生きざまと
トップ棋士が眺める地平とそこへ至る努力を描かねばならず、
それにはいかにも映画の尺は短いのだった。
映画は羽生善治とのライバル関係を屹立させて
聖の“生”を照射する仕様だが、
田壮壮『呉清源 極みの棋譜』のように
勝負の興趣や緊迫感から離れて
呉清源その人の精神世界を映像で構築する―というわけではなく、
村山聖の人と棋士人生を語る(・・)映画なので
やはり他の棋士たちのキャラが立たなければ
村山像を浮上させ得ないように思う。
天才羽生善治だけでは村山像に迫れないし
そうであるなら
他の棋士たちがもっと機能すべきで
それには尺が足りないよなぁ…と思ってしまう。
山本おさむのマンガ版未読だが
あの尺が必要なのでは?





「エル・クラン」 ’15 (アルゼンチン・西)

監督:パブロ・トラベロ

1983年 アルゼンチンで起こった犯罪の映画化なのだが、
深刻な事態を皮肉や諧謔で笑い飛ばす仕様かと思ったら
“身代金ビジネス”で豊かに暮らす一家の
凄惨なレポートなのだった。
父の支配とそれに疲弊して行く長男のエピソードが語りの軸。
父アルキメデスは“怪物”であり
その圧倒的“支配”を妻や娘は受容し豊かな生活を享受するが
息子たちは父のビジネスへの参加を強要される。
長男アレハンドロの煩悶が招くラストに戦慄するのが
これが映画であることの理由だろう。
しかし一番怖いのは
自宅に監禁された被害者がいることに気付かないでいられる
女たちの無関心(意図的無関心、もしくは無意識的無関心)である。
その気持ちの悪さといったら…!





「pk ピーケイ」 ’14 (印)

監督:ラージクマール・ヒラニ
m:アーミル・カーン

『きっと、うまくいく』の監督・主演俳優コンビによる新作というので
大変期待したのだが…
今回主人公pk が宇宙人であることが最初から明らかなので
物語も展開も意外性がない。
なので
アーミル・カーンのバスター・キートンそっくりさん演技と
ハリウッド映画を髣髴とさせる演出を
楽しく眺めているしかなくて、
宗教を扱っているところが新規だし
確かにグッと来るし 感動するお話なのだけれど
冒頭のヒロインの恋愛エピソードがつまらないこともあって
ラストでそれがハッピーな結末に導かれても
あまり快感を感じない。
結局何を観ていたかというと
アーミル・カーンの芸達者を観ていただけ…のような気がしている。
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