【総則とか】
旅を総花的（そうばなてき）に書かない。骨組みとなる部分を抜き出す。
現在の一般論を調査する。
歴史的な側面を調査する。
地理的な側面を調査する。
連想する。
全部終わらなくても書き始めていい。
【骨子】
青森県の奥入瀬渓流ツーリング
【場所と現在】
青森県と秋田県の県境にある湖、十和田湖。この十和田湖を源流とし、青森県側の湖畔である子ノ口（ねのくち）から焼山（やきやま）まで約14�劼砲錣燭覬�入瀬川の渓流を奥入瀬渓流と呼ぶ。天然記念物。
焼山から先、地域の他の支流と合流しながら東へ流れ、八戸（はちのへ）の北にあるおいらせ町から太平洋に流れ出る。
奥入瀬渓流の車道はきれいに整備されていて、広くはないものの走りやすい。渓流と道路が近く、度々交差する。
子ノ口から焼山まではほぼ渓流を楽しむルートだが、焼山側には星野リゾートのホテルや地元のホテル・旅館が存在する。この旅では「奥入瀬 森のホテル」から十和田湖に至る。
星野リゾートはともかく焼山は若干寂しげだった。冬はスキー教室が開かれているらしい。シーズン前の秋口だからだろうか。
そこから先は八甲田山を背中に十和田市へ向かう開けた道で大変に気持ち良い道路。
【歴史】
十和田湖畔に佇む神社、十和田神社。日本武尊（ヤマトタケルノミコト）が祀られている。
明治の神仏分離（慶応4年：1868年神仏分離令）までは水神信仰の象徴であったと言われている。
江戸時代には十和田青龍大権現（とわだせいりゅうだいごんげん）が祀られていたという。
明治維新から大正にかけて、十和田湖を利用した魚の養殖漁業に取り組んだのが「和井内貞行（わいないさだゆき）」。艱難辛苦を乗り越えて養殖漁業を成功させた。妻のカツと共に十和田神社に祀られている。ある程度年配の人に聞いてみると、十和田湖の和井内貞行は教科書に載るような人らしく、知ってる人も多い。
岩手の八幡平（はちまんたい）から十和田湖に入ると、交差点の名前が「和井内」という。
【地理】
東北のど真ん中。青森県と秋田県が十和田湖のやや西よりにまたがっている。
真西は秋田県の白神山地と日本海、真東は八戸と太平洋でちょうど真ん中にある。真北には八甲田山があり、その先に青森市がある。むしろ八甲田山をぐるりとめぐる、ふもとの町には温泉街があって、こちら方が賑わってるかもしれない。
【適当な連想と言葉の羅列】
2015年の秋のツーリング。いつもの遅い夏休み。8月は休まない。暑いからいっそ家に居るより仕事してる方が楽だったりする。とことん夏に弱い。もちろん真冬も辛いけど汗をかかないだけマシという。スポーツでもトレーニングでもないのに汗をかくのが嫌い。歩いているだけで体に熱が貯まる。じっとしてても熱が貯まる。熱が抜けないと気持ち悪くなる。足を止めると汗まみれ。すごく嫌。涼しいところまで足を止めずに黙々と歩く。秋の軽やかな風こそ季節の始まりに思う。秋の日差しは夏の名残。街と体を温める。秋の風はスマートに熱を取り去ってくれる。夏の装いのワイシャツがふわりと風をはらむのが好き。旅は秋分の日の前週に東京からほぼ下道で。まだ夏は明けていない。けれど秋を予感するから嫌な季節じゃない。枯葉を踏む感触も音も匂いもこれから始まる。土の上に立っている感じ。夏の間、動きを最小限にしていた鬱屈を開放できる。秋風一つで元気になったり。
先週まで北関東では長い大雨による鬼怒川の決壊と洪水。日光近辺もひどかった。濁流。
真夏ではないが日差しは強い。焼かれて火照る頬を打つ秋風。晩夏。二十四節気では白露。朝にバイクに露が下りるが気温が上がるに従って消えてなくなる。
森のホテル。渓流の先にあるホテル。焼山だから山のホテル？でも渓流のすぐ先なので山っぽくはない。確かに木々繁る渓流を抜けた先なので森のホテルか。
田舎に似つかわしくないモダンな建物。内装も手が込んでいて隅まで清潔感。奥入瀬キュイジーヌが売り。キュイジーヌはフランス語でキッチンとか料理とか。1970年代のヌーベル・キュイジーヌとはフランスで起こった新しい料理、の意味。旬と季節感、産地にこだわった地域の味という概念だそう。懐石料理みたい。青森特産を使ったお箸で食べる奥入瀬キュイジーヌ。地ビールも。夜に飲んだビールは鮮やかな琥珀色のラガービールで小麦の味が濃い。暖めたらパンの香りがしそう。探索の朝は明るいラウンジでコーヒー。ガラス張りで朝の光がキラキラしている。森の色はまだ緑色。短い秋を越えてこれから赤く染まるのを待っている頃か。ラウンジに併設の菓子工房で、はちみつカステラを焼いている。甘い匂い。
コーヒーは濃いめだけど苦くない。むしろ甘味を感じる。香りは強いこともない。これから渓流の森を散策するのにちょうどいい。あまり強い香りは胸やけする。バイクにカメラだけ載せて出発する。連泊だから他の荷物は置いていく。まだ10時。渓流の手前。星野リゾート。メルヘンチックな建物。家族連れが多い。さすがに洗練されてる。森に入る。すぐ渓流を横目に見る。道路と近い。気温がふっと下がる。午前中の強い光に暖められた首筋に冷たい風が当たって気持ちいい。革のジャケットも周りの空気に馴染みだす。でも寒くない。木のトンネルは午前中でもほどよく暗い。太陽に伏せがちだった目がすっと開く。コントラストが回復する。影も光もよく見えるようになる。アスファルトのグレー。土と枝は似ている色。でも色数が多いような。渓流は飛沫の白と岩の黒。緑のグラデーション。よく整備された道路にゆったりとバイクで走る自分の影。柔らかい光を落とした木々が重なる。目の端に白い木漏れ日が踊って楽しい。渓流と同じ色。前を向くと手前ほど濃い緑、奥の方は日差しで明るい緑色。明るい緑が若さの象徴ならタイムトンネルか。陽だまりを目標にする。渓流の上流に向かう。人もそれなりに居るが平日なので多くはない。年配から家族連れ、中国人もいる。声が大きい。渓流のウォーキングコースを楽しみにしてる様子。声が大きい。せっかく綺麗な渓流と森なのだから静かにしないと大切な音を聴き逃すよ。バイクに乗ってる自分が言うのもおかしいか。でも純正だしうるさいことは無いと思う。人の邪魔もしたくないから。渓流の反対側。木が根本から倒れている。安全のために倒したのかもしれない。幹にきれいな苔。水と土。絵を探す。写真に撮るため。100mと走らずカメラを構えてる。アスファルトから土。もう落ち葉もあってサクサクしてる。もうちょっと下の方がフカフカしてる？気持ちいい。
とりあえずここまで。なんか進めちゃったけど構成みたいなものは別途。
あとは、「流れ、橋、滝」。「バイパスは人の気配がしないのに広い不思議な道」
「閉校した十和田小学校を使った学校カフェ。小学校の椅子と机。作りとか」
「十和田湖の夕暮れ間近。大学生らしき男子たちがボーﾄで遊んでる」
「シルエットになっていく」
とかから始めよう。
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