12月3日
「今日は地下足袋じゃないんですか?」
「持ってきたんだけど、寒いかなあと思って・・・」
「ツボさんと行くから僕も地下足袋を持ってきたんですよ。」
「じゃあ、地下足袋にしましょう。」
マイミクのYAMACHANさんとの初めての山歩きだ。
初対面だが、ミクシィの日記でやり取りをしていたので、すぐに打ち解けることができた。
お天気が期待できるこの金曜か土曜にどこの山に行こうかと考えたときに、以前YAMACHANさんの日記で見た御所平に行きたいと思った。
様子を聞きにメッセージを送ると、土曜なら一緒に行きましょうとお返事いただいた。
あまり人が行かないコースなので不安もあったが、YAMACHANさんが一緒なら心強い。
林道を少し歩いてから登山道に入る。急な登りだ。
歩き始めて30分ほどして上着を脱ぐ。
朝はかなり冷え込んでいたが、急な登りで汗ばみそうだった。
御所平から仙ヶ岳に続く稜線が見える。
気持ちよさそうだ。
これから歩く道が見えるとうれしくなる。
長坂の頭に着く。
ここからの下りは急でざれていて滑りやすい。こういうところは地下足袋が威力を発揮する。
「地下足袋で正解でしたね。」
伊勢湾に朝日が当たって輝いている。
「ここを登り切ると開けますよ。」
そう言ってYAMACHANさんが先を譲ってくれる。
稜線に出た途端、目の前に鈴鹿の山々が広がった。
正面には綿向山、雨乞岳、御在所岳、鎌ヶ岳と鈴鹿南部の山が屏風のように聳えている。
解放感あふれる瞬間だ。
しばらく進むと御所平に出た。
伸びやかで気持ちのいい場所だ。
仙ヶ岳が近くなってくる。
「僕は御所平が好きで、一番よく来ている場所なんですよ。」
本当に気持ちのいい素敵な場所なのに私たち以外誰もいない。
「今頃御在所岳や鎌ヶ岳はすごい人だろうな。」
仙ヶ岳への最後の登りだ。
振り返って見る御所平は美しい。
ここで今日初めて登山者と会う。
「地下足袋ですか?初めて見ました!」
いやいや、雪がまったくないのにアイゼン付けている登山者なんて私も初めて見た・・・
このおじさん、実によくしゃべる。それも大声で。
山頂に着くと誰彼構わず相手にしゃべりまくっている。
「富士山が見えますよ。」
登山者の一人が言った。
「えっ!?」
遠くにかすかに雪山が浮かんでいる。
よく見ると、一番南が富士山、少し間があって南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスと続いている。
鈴鹿の山から富士山やアルプスが見えるとは思っていなかったのでびっくりした。
YAMACHANさんと南アルプスの山座同定をする。
「多分あの大きな山が赤石岳でその左が悪沢岳、右が聖岳じゃないかしら。聖岳の右のちょっと低い山が上河内岳だと思うわ。」
「少し左にぽつんとあるのが塩見岳かな。その左のほうは白峰三山か仙丈岳あたりかな。」
南アルプスの山は一つ一つが大きく、ほぼ一列なのでわかりやすい。
それに比べて北アルプスは槍穂はわかるがその北のほうの山は重なっているし一つ一つの山が小さいので遠くからではわかりにくい。
仙の石に行く。
鈴鹿は奇岩が多い。
この石の傾き方も面白い。
YAMACHANさんがお湯を沸かしてくれる。
カップ麺の昼ご飯だ。
私もYAMACHANさんも山で食べる物に執着心がない。
「一人だったらお湯を沸かすのも面倒でカップ麺も食べないで済ませちゃうことが多いんですよね。」
「僕も一人だと持ち帰って、息子のおやつになっちゃうんですよ。」
白谷に下る。
初めは急な上に落ち葉が積もっていて歩きにくい。
深いところでは膝まで潜ってしまう。
時々炭焼き窯の跡も出てくる。
丸太の橋は今にも崩れそうだ。いつ頃のものだろうか。
さらに大きな石の間の道も歩きにくい。
渡渉も何回も出てくる。
YAMACHANさんは軽々と石の上を渡って行くが、私は渡渉が苦手だ。
恐る恐る慎重に進む。
そして!写真で見て恐れていた梯子が出てきた。
アルミの脚立の梯子だが、一旦下ってまた登り返す。
下ってみると怖くはなかった。
林道に出る。
「ここから林道を歩く人もいますが、また山道で下れるんですよ。」
で、その山道で最後の渡渉があった。
はあ〜〜〜
石水渓のキャンプ場に着いた。
「そこにトイレがありますよ。僕は車を取ってきますから待っていてください。」
YAMACHANさんが登山口まで車を取りに行ってくれる。
私の車を止めておいた駐車場まで行く。
「三重県まで来ていただいてありがとうございました。」
そう言って、桑名名物のしぐれ煮をお土産にいただく。
山の案内だけでなく、いろいろな面で心遣いが感じられて嬉しかった。
「また鈴鹿の山に行くときは連絡くださいね。」
YAMACHANさんとの山歩き。
鈴鹿の山の新たな魅力を知った山歩き。
来年は静かな紅葉の鈴鹿の山を楽しめそうだ。
新たな出会いに感謝!!!
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