マイコちゃんの家は薬屋さんでしたが、終戦直後、お父さんは「おでき」ができて大変でした。「ねぶと(根太)」というやつ。
背中にいくつも。全部で50ぐらいできたでしょうか。
芯があって、マイコちゃんがいつも取る係。
「いいよ、いいよ、子供たちが食べれば」と言って、あまり食べなかったのが原因でしたから、薬屋だからってダメですね。
トウモロコシが配給になっても、それは動物の餌にするやつ…。
固くて、味がしなくて、でも食べないわけにはいきません。だって、それしかないんですもん。
幸いマイコちゃん家は薬屋なので、「薬研(やげん)」ありました。
時代物で、お医者さんが持ってるヤツ。小さい舟形で、円盤形の車輪がついてるアレ。
そーいうものがない家では、たとえばお米なんかはビンと細い棒で。お米=玄米ですからね。
子供たちも、空腹でボーッとしてますから、気をつけてないと、たまに倒してしまいます。
割れなければラッキー。割れてしまうと、お米は飛び散る、ガラスの破片は混じる、お母さんにはどなられるで、子供のキモチはもう…。
それでもなんでも、食べるコトは重要。死んでしまうから。
「よく生き延びたねぇ…」とマイコちゃんは言いますけど、ホントにスゴい時代を生きてきたのだなぁ。
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