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2016年11月25日18:54

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ヴァレリー ゼナッティさん、 岡山大学講演会 

フェースから情報が流れてきて、
予約不要、タダで岡山大学での講演が聞けると
相変わらず 不純な動機で出かけた。

岡大に出かけるのは何年ぶりかな?
この15年ほどで、3回くらいだ。
美しい紅葉や まだ霜で痛まない美しいサザンカを愛でつつ、
きらきらと輝く ため池や旭川の水面を楽しみつつ、

前は こんな車のゲートあったかな?と思いつつ、
駐車場を探して、北の薬学部近くに止めた。
今日の学棟が どこにあるのか さっぱり知らないので、
まず、地図探し。
地図は 分かり易かった。
ちゃんと、現場の方位に合わせて書いてあった。

早めに着いたので、乗馬クラブの馬を見に行った。
どうも、前回見た馬場が、新しく建ったビルで
無くなったようだった。
前回居なかった白馬が一頭いた。

駐車場は 1時間まで無料なので、
せめて、始まる前の1時間は無料にしようと、
講演のある棟の近くに直前に移動しようと思ってたら
なんせ、馬場と薬学部は北と南のはずれに分かれているので、
歩いてる内に20分経ってしまい、講演に遅刻。


小さな部屋で、20人くらいで、今日は講演のみ。
映画の上映会も兼ねていると勘違いしてた。

ヴァレリーさんは、13歳までフランスにいた46歳の女性。

なんと、フランス語で質問する日本人の人が3人もいた。
白人の人は2人見えた。

原作の小説は まだ日本語訳が無いので、
「ガザの海に流された瓶」は 映画で理解するしかない。
その映画を見ていない私は、あらすじだけの知識。

ここから、講演の要約。

ヴァレリーさんは、13歳でヘブライ語の世界に飛び込んだ
そのショックの事から話された。
まるで、耳も口もダメな動物のような気がしたと。

ヘブライ語の世界には、現在形が無く、
「所有する」という動詞も無い。
土地所有の観念が無い。

30年前のヨーロッパとイスラエルは平和で、
そこに、1980年代の 第一次インティファーダが起こった。
ヴァレリーさんは、18歳で、イスラエルの歴史を初体験した。

1948年にイスラエルは、社会主義的ユートピアを
イメージする人達によって、建国されたが、
2000年間住んでいた アラブ人の事は考えていなかった。

イスラエル、パレスティナ双方とも、自国が正しいと思っているので、
この戦争を止めさせるのは、とても難しい。

友人や徴兵された時の仲間とも話し合った事がある。
(イスラエルでは、女性も18歳から2年間の兵役があり、男性は3年)
兵役を拒むと アウトサイダーとなる。

兵役後、フランスに帰って、ジャーナリストとヘブライ語教師をした。
29歳で初めて小説を、人生に色々な問いかけをする世代向けに書いた。

2000年に2回目のパレスティナの暴動があった。
1990年代には、双方の和平交渉の希望があったのに。
極端な人々がいて、イスラエル首相は暗殺された。


ここからは、小説の話になるが、第二次インティファーダの時、
私は 自分の立場を問われた。
双方の国の言い分は理解出来た。
言葉を持つ事は、武器を持つ事だと思った。
双方が話合う空間を探した。

「ガザの海に流された瓶」には、2つの視点がある事が重要。
(イスラエルとパレスティナの)

2003年に書き始め、2005年に出版。
2006年に映画化の申込みがあり、2012年に完成するまで、
シナリオを共同で練った。

瓶を海へ流すという行為は、絶望的であり、希望的である。
ただ、現状を描くより、ロマンティックで象徴的。
今は 2003年より、ネットもより普及して違っているが。

Q (フランス語を話す日本人女性から)
  なぜ、ヴァレリーさんの両親はイスラエルへ行ったのか?
  
A. 両親の個人的な理由と、ユートピアへの期待もあった。
  建国に参加するという、わくわくする期待も。

Q. (白人男性から)
  ナイーム(ガザの少年)の視点は どうやって得たのか?

A. 知人のパレスティナ人が一つのモデルで、
  ネットで、パレスティナ人のテキストを読むチャンスもあり、
  発想のヒントになった。いつも、イスラエル人が悪いとか、
  そのうち、個人的な文章も出てきて、家族の圧力があり、
  個人として生きるのが難しく、グループの一員としてしか
  生きられないとか。

  タル(イスラエルの少女)の瓶の手紙は理想的過ぎた。
  ナイームは からかって挑発して、何かが起こるようにした。
  タルに賛成するだけだと、何も起こらないから。

Q. (白人男性から)
  パレスティナとイスラエルで上映されたか?

A. エルサレムでは上映されて、感動してくれた。
  パレスティナでは、キスシーンが問題にされてダメだった。
  (二人は結婚していないので)
Q. カットして上映しても良かったのでは?

A. それでは、別内容になるので、嫌だった。
  二人の交流は勇気の要ることだった。
  敵国人同士だし、裏切り行為とも取られるから。

  今は 事実上交信も可能だが、パレスティナで誤解されると
  死刑もあり得るし、イスラエルでは、禁固刑。
  友達を持つことも受け入れられない。

Q. ヘブライ語とアラブ語の辞書を作ったらどうか?

A. それは、同じ事を指すのに、全く別の解説になるので無理。
  英雄がテロリストになったりする。


  日本は海で他国と隔たっているので幸せだ。
  
  イスラエルもパレスティナもお互いに恐怖を抱いていて、
  それが行動につながっているが、恐怖については
  ほとんど語られる事が無い。

  ガザから出国するには 幾つものゲートがある。
  
  映画では、二人がメールのやりとりから
  初めて 面と出会うシーンがあるが、
  これは、キスシーンより はるかに大事なシーン。
  面と出会う事が大事だった。

  映画では、「ガザの」を省いて、「海に流された瓶」」になってるが、
  それは、映画公開直前に、「ガザの豚」という別の映画が公開され、
  その影響を受けたくないためだった。

  フランスのリセで、パレスティナ人のアラブ語教師に会った事があります。
  彼は、少し、ナイームに似ていました。

  コントで、穴に隠れたネズミに、猫が犬の鳴き真似をして騙し、
  「なぜ、犬の鳴きまねをしたのか?」と ネズミが問うと、
  「今時、二か国語を話さないと 何も出来ないからさ」と答えた。

  2か国語を話せるようになりましょう。
  人生は短く、世界は広い。
  映画などの芸術は、世界を広げてくれます。

要約終了 (ちょっと、聞き取れない所は省略しています)


駐車料金がタダになる券を配って頂いて、ほんとに助かりました。
ゆっくりと、見たかった、カーブする屋根のある広場も見学出来ました。
あの傾斜のある屋根だと、雨の日はどうなるのか、ちょっと心配に。
次回は、ぜひ、雨の日に来たいですね。

通訳して下さった、世話人の延味能都(何と読むのでしょう?)さん、
有難うございました。

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