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2016年11月19日01:12

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R1-Z(19歳の私とシンクロ)

峠を攻めるようになったのは
仲間と箱根に行ったからだった。

バイクの免許を18で取得して
400ccのレプリカを新車で買った。

レプリカを購入したのは
単純に格好が良かったからで
高校生の頃、本屋で立ち読みしながら
ずっと憧れていたんだ。

最初は前傾のポジションに驚いたけど
すぐに慣れた。

半年で盗難にあい
盗難保険使って
3XV(TZR250R)を買った。

仲間の一人が箱根に行こうと言い出し
ターンパイク経由で芦ノ湖スカイラインに行った。

最初のコーナーは
今と違って、ランオフエリア(要はコーナー外側の空き地)には
岩なんかがゴロゴロ転がっていて…
大破したNSRが、岩の脇に転がっていて
ドライバーが横たわり、救急車の到着を待っていた…

FZR400R SPに乗ったライダーが
遠くから眺めている僕たちに話しかけてくれて
あの転がっているライダーは
恐らく死亡している…と教えてくれた。

顔が白くなっていて
微動だに動かない…という。

目の前にある死亡事故。
けれど全く他人ごとで
自分には無関係な出来事のように思えた…事を覚えている。

芦ノ湖スカイラインを中間地点位まで走って
道路脇にバイクを停めて
レーサーレプリカで膝をすりながら疾走する走り屋を眺めていた。

膝すりバイクは、船橋にある埠頭で
高校生の頃に見た事はあった。

けれど、ここは峠…
走り屋たちの、なんと格好良い事か!

胸が熱くなった。
自分もやりたい!

家に帰り、興奮しながら
雑誌を読みふける。

休みの日に上野に行き
レプリカヘルメットとツナギ、ブーツを買い
タイヤをダンロップのライディーンに履きかえ
更にステアリングダンパーを装着。

公園の駐車場で膝すり練習をして
筑波山で峠デビューする。

ひたすら走り込む。
ハイグリップタイヤは
簡単に膝すりが出来る。

どんどん速くなり
半年ほどで…速い走り屋さんから
話しかけられるようになった。

自分より速い人から
君のバンク角は異常だと言われた。

ステップもチャンバーも
削り放題だった。

もっと丁寧に走れば
もっと速くなるよ…と言われたが
現時点でも、死ぬ気で走っていたから

これ以上、速く走れる訳がないと思っていた…
若かった。

今思えば、もっと突き詰めていれば
もっと速く走れるようになっただろうと思う。

けれど、当時を知っている人ならわかると思うが
『今日こそ死んでしまうのではないか?』
と、走りに行く時はいつも思っていた。

格好良く膝をすり
編隊を組んで走れれば
それだけで良かった。

女子と遊ぶより
パチンコで遊ぶより
なにより楽しかった。

今、思い返してみても
あれほど楽しかった事は他にない。

もう一度だけ…峠で…バイクで
膝をすりながら走りたい。

今回…ハイグリップタイヤを
20年ぶりに…履いてみて思う。

どう頑張っても(今の自分では)
コーナリングの限界などで
走れる訳がない。
でも今はただ楽しく走りたい…。

2ストの感触が
自分の感性にピタリと合う。

レプリカのポジションは
もう自分には耐えたがたくても。

R1-Zというバイクが
私の世界に存在して

それを手に入れて、
ハンドルポジションが楽で、長距離ツーリングも全く苦にならず
素晴らしいタイヤを履いて…

これ以上の贅沢は他にない…と断言出来る。

この世の中に
R1-Zがある事に感動がある。

そんな人は…私くらいかも知れない(笑)

※写真は筑波山パープルライン(19歳の私)


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