環境で占う易にも、中国ではさらに古典流派があります。これは身の周りのあらゆる事象を占いの「卦」としてとらえる『梅花心易』といわれるもので、邵 康節 (しょうこうせつ)という
人が起こした易です。
身の周りの出来事とは、
「鳥のさえずりを何度聞いた」「椅子が壊れた」「白い犬と茶色の犬に交互に同時に遇った」など、あらゆる事象を卦にたとえるのです。
これにも膨大なマニュアルがあり、創始者
邵康節の家
の家具にはすべて、その裏に
―「〇年〇月〇日に壊れる」と書いてあったといいます。
あるとき、ひとりの軍人
が邵康節の家に、「おまえは世を惑わす悪い奴だ!だからこらしめにやってきた
」とすごい剣幕で訪れたことがありました。
軍人は怒鳴りながら、荒々しく邵家の
椅子に座ろうとしました。ところが、椅子は
音をたてて壊れ、軍人はしたたかに
腰を打ち付けてしまったのです。
邵康節はあわてることなく静かにこういいました。
「落ちついて、その椅子の裏をごらんになってください」
軍人が椅子の裏を見ると、そこには
「〇年〇月〇日、△△なる人物が座り、壊れる」と書かれていたそうです。
この『梅花心易』は中国でも
「秘易」といわれるものです。
おちまい
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