スタインベックの息子達　トーマス　と　ジョン

エデンの東は、スタインベックが自分の息子達をモデルにしているという説があるので、
幸いにも、彼の二人の息子のウィキディアがけっこう詳しいので　ざっと読んでみた。
（英語版しかないので、私の読解力では　だいぶ怪しいのだけど。）

スタインベックは　最初の１３年間の結婚では、子供が出来なかったのだろうか？

二人の息子は、二番目の結婚相手の「歌手、作曲家」だった妻、グウィンとの子供だ。
スタインベックは　気難しい妻を避けて、子供を寄宿舎に入れ、
休みには、旅行に連れて行ったとある。
グウィンとは５年ほどで別れ、３度目の妻とは死ぬまで続いた。

つまり、３度の結婚で、もっとも仲の悪かった、失敗した結婚で生まれた子供達だった。
皮肉なものである。
何となく想像するのは、強烈な個性のグウィンに魅かれて浮気し、
正式に結婚したのだけれど、
家庭生活に興味の無いグウィンと続かなかったという所か？

長男、トーマスは　父親べったりのようで、７２歳まで生きたけど、
死因は　タバコ病と言われる肺疾患だから、ヘビースモーカーだったらしい。
彼は　父の栄光を嫌がらず、父の跡を継いだと言ってよいだろう。
父と同じく　文筆業。父についても作品を残している。
（亡くなったのは　だから　昨年である）

次男、ジョンは　４０代の若死にだが、ヘルニア、もしくは「破裂」で、
手術の直後、亡くなっているから、手術が失敗だったのか、手遅れだったらしい。
遺伝性疾患とあるが、同じ遺伝子のはずの兄は発症してないようだ。
鉄が蓄積する病気というと、貧血の反対なのだろうか？

アルコール依存症だったらしく、その闘病と克服から
その方面でも力を入れた仕事をしている。

彼は、著名な父の子としか見られないのを嫌い、
ベトナム戦争従軍をきっかけに
アジアを主に行動する。
（ベトナム戦争従軍は　兄も同じ。）

４０近くなって結婚した相手は、二人の子供を連れた女性だった。
彼女との間には　一人の子供がいる。

スタインベックの息子達が生まれたのは、第二次大戦中。
アメリカは戦場にはならなかったとは言え、戦争中だった。
スタインベックの家庭も戦場だったわけだ。

エデンの東が書かれたのは、１９５０年代前半で、
息子達は、まだ、小学生高学年といった年ごろだ。
けれど、小説は高校生あたりまで書いている。

スタインベックに姉がいるのは聞いていたが、
正確には、姉二人と妹一人で、彼は一人息子。
母は小学校教員だった。