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2016年10月25日09:43

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集英社 わたしの古典

図書館にて。
全22巻、女性作家たちが日本の古典文学を現代語訳で読ませてくれるシリーズです。

文学部卒と言ったって、日々の課題に躓きよろめき、這い出るように卒業した出来のよくない学生にすぎなかったわけで。
考えてみれば『源氏物語』なんて「いづれの御時にか」と「雀の子を犬君が逃がしつる」しか知らないじゃないかと、手始めに6〜8巻「円地文子の『源氏物語』」を。

前段としてですが、部屋の片付け中に古い図版本を見つけたんですよ。清水好子監修で、源氏物語絵巻や屏風絵などを、対応する各場面の要約とともに紹介してるもの。
義父の本棚から出てきて、夫がホイッと廃棄の山に放り込んだのを、いやぁぁダメぇぇ私が読むぅぅぅと救出して夜な夜な読みふけり、あれ? けっこう面白いのね、と。

与えられた課題としては勉強してきたつもりでも、結局自分にとっては、古典文学というものが「教材」に過ぎなかったように思います。
今、純粋に読み物として、こんなにも楽しめるなんて驚きましたが、考えてみれば当然ですよね、千年の時を超えて読み継がれてきたんだから。
理想を言えば順序が逆なのかも。現代語訳が入口になって(「あさきゆめみし」可)、学問として興味を深めて行く。

それでも、十代の頃の私だったら、こうは楽しめなかったかもしれません。
源氏の君はムカつくし、そんなヤツでもモテればモテるほど辛い思いをする女性は増えるわけだし、宇治十帖にいたっては意味不明! どいつもこいつもシレッと幸せになっちゃえばいいのに、わざわざ逃げて隠れて儚くなって、なんなの???
…ってなもんで。

改めて読んでみれば何となく覚えのある場面もあるものですが、今は「良いなぁ、あはれだなぁ」と妙に好意的に読めるので、自分でも不思議です。
紫の上や明石の上は、なんと作者に愛された人物かと思います。

息子が覗き込んで9巻「杉本苑子の『枕草子』を借りて来て!と言い出しました。
国語で「春はあけぼの」の暗唱をしたもんね。
私は、そうだなぁ。
軍記物語好きとしては12巻「大原富枝の『平家物語』」14巻「山本藤枝の『太平記』」いきますかねー。
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