ディラン　の　ノーベル賞　無視

ボブ　ディラン　が　ノーベル賞を無視していて、
ノーベル賞の授与側は　「傲慢だ」と憤慨している。

これは、ノーベル賞側の　「傲慢」だ。

今迄の受賞者が　ほとんど有難がっているし、
辞退者がは　ちゃんとコメントを出したりして
「無視」はして来なかったと言って、
ボブ　ディランが　コメントも出さないのは
けしからんとは、一方的過ぎる。

科学の研究者の受賞者なんかは、研究費にも充てたいから
まず、辞退をする事は考えないのだと思う。

ボブ　ディランは、正直なコメントを出すと
失礼な言葉になるから、出さないんだろうと思われる。

もしくは、自他共に納得出来るコメントを考えるだけでも
エネルギーを相当使うから　出さないのだと思う。

だいたい、ノーベル賞の土台は、爆弾と武器を売ったカネである。
ノーベルは、そこに後悔を感じて　償いのために賞を設定したのだ。

素朴に戦争を告発してきた　ボブ　ディランが　
その金を有難く　受け取るわけがないと思う。

それに　彼は有名になりたいとか、金持ちになりたいとか、
そんな事に　全く縁遠い人だ。
彼は、大衆の心に訴え、共に感じる事に生き甲斐を感じる人だ。

彼は、吟遊詩人であり、ジプシー的な人。
ジプシーに　大金をやったら　喜ぶだろうか？
ジプシーは　自由な生活を愛しているのではないだろうか？

私には、ノーベル賞は、ほとんど、体制側からの買収に感じられる。

こんなワイロをもらって　喜んだら、
ディランのファンはがっかりするのではないか？

ディランのファンは、昔、彼が、エレキギターを初めて使っただけで怒り出した。
彼は、泣きながら　アコースティックギターに替えた。
フォークというのは　それくらい　素朴な世界だったのだ。

だいたい、ボブは　あんまり金に困っていないと思う。
５人の子供達も　とっくに成人しているだろうし。
そう、ぜいたくな生活もしていないと思うし。
重病にもかかっていないと思う。
アメリカ病であるメタボでもないようだし。

ノーベル賞は　有難がられ過ぎているのではないか？

例え、神様そのものから　恩恵を与えると言われたって
人間には　拒否する権利があると思う。

まあ、信奉している神様からなら、一言、
拒否させて下さいと　お願いすべきかもしれないけれど。

ましてや　ノーベル賞選考委員会は　神様ではない。
勝手に決めて、勝手に発表しているのだ。

押し付けられる義務はない。

そっと引っ込めるしかないはずだ。

いちいち　返答が無いからと言って
失礼なヤツだと決めつけるのは　ゴーマンだ。

押し付けたいなら、また、「受賞お願い」でも
根気よく　送付すれば良いではないか？

それでも　返答が無いのなら、「悲しい、残念だ」と言え。
それが、与える側の　礼儀ではないだろうか？

今回の経過で　委員会のとるべき態度は、
「どうも、彼は　受賞は嫌らしいね？別人にしようか？」
で　十分ではないか？
文学賞をもらって喜ぶ文学者は他に　山のようにいるだろう。

それとも、アメリカの反戦歌手として、白羽の矢をたてて、
アメリカの起こしている戦争の抑止を狙っているのだろうか？

アメリカの反戦運動を励ましたいと思ったのだろうか？
それなら　少し分かる気もするのだけど。
選考委員のトップは女性のようだし。　

でもね、スウェーデンの方達よ、
常々、あなた方の国の人達の人権のセンスには
感動させられてきました。

こんな事で　がっかりさせないで下さい。
彼を選んだ気持ちは　嬉しいのですけど。