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2016年10月23日05:56

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朝早く目覚めてしまったので旅の記録と雑記

6月からソフトウェアの設計業務が忙しくなり、9月いっぱいまでほぼ毎日残業だった。調整的に早く帰ることもあったが、スケジュールと進捗を天秤に乗せながら土日にも出勤して作業していた。もちろんコンプライアンス違反にならないような範囲であるが。それも秋になったらツーリングに行くのだから旅費を稼ぐと思えばいい、と考えて仕事をこなしていった。
ソフトウェアの設計は過去のプログラム群との協調もあるためなかなかに難しい。考え足りないところが出てくれば当然動かないか、操作次第でバグって落ちるような製品になってしまうから。
度々同僚を呼んではレビューの繰り返し。社風というのか、あまり会議が好きではないところなので会議室を押さえたりスケジュールを合わせたりとやりにくいことこの上ない。無駄な会議に意味がないのは賛同するが、物事を煮詰めていくのに人と話をすることはとても重要なのだ。そういう意味でもう少し集まりやすいようにしてもらいたいものだと今も考えている。
口癖のようであるが、エンジニアの武器はミスプリントの裏紙と4色ボールペンだ。
ぐしゃぐしゃと構想を描いては描き直して、少しずつ外形ができてくる。内側はカオスでまだろくすっぽ見えていない。でも大抵のことはパソコンを前にしていては動かないのだ。
さぁ大枠が出来てからも大変だ。意を決して内側に切り込んでいかなければ進まない。どこを足掛かりにするかも迷いに迷う。これも間違いや勘違いがないか不安を抱えながらの作業になる。もちろん間違いも勘違いもあっていいのだ。レビューしながら修正が施されて完成品になっていくのだから。とはいえ、慣れるのには時間が必要だ。慎重に、かつ大胆に。
なんとか9月を乗り切って10月に入る。まだ不安の残る設計書と外形を示したスケルトンプログラムを外注に送り一仕事終える。さぁ休みを取ってツーリングだ。
ところがどうも今年は晩夏初秋の天気が良くない。台風はいくつか上陸していたが、大混乱というわけではなく、ただうだうだとすっきりしない空模様が続いていた。あまりまごついているとそれこそ休みを取るタイミングを失ってしまう。10月の第2週にターゲットを合わせて休暇を申請する。まぁさすがに何か月も忙しかったせいかすんなり休暇が取れた。もちろん労働者の権利上、取れないことはないのだが。

昨年は東北に向かった。だから今年は西だろう、という安直さで四国を目指した。
春先に父が他界し、縁のある九州に向かおうとも考えていたがさすがにバイク旅で行くような状況でもない。震災の影響も多少なりとあるし、行くならば飛行機か。飛行機は苦手だが。
実をいうと俺の下の名前(本名)ともつながっている場所なので、出来るだけ早い時期に挨拶には行くべきなのだろう。
『四国カルスト』。四国は愛媛と高知の県境にあたる山の稜線にあるカルスト台地。カルストとはスロベニアのクラス地方を指す言葉らしい。石灰岩などの水に溶けやすい地質が浸食されて出来る地形でクラス地方はその典型であり名前の由来とのことだ。
四国カルストは度々雑誌でも取り上げられ、常にランキング上位に入る日本の絶景道だという。樹木が茂る周囲の山と対照的に、台地の上にはきれいな緑色の草原に白い石灰岩がニョキニョキと生えている。BikeJINやOut Riderで何度も写真に見た景色だ。
今のバイクを買った頃は、まだ長距離ツーリングに行くような装備もなかったので、雑誌を見ながら「いつかここに行きたいな、いつになるだろう」と考えていた。

旅はいつも事前準備をしっかりしていく。ルートを確認し宿も予約して、可能な限り予定通りに進んでいく。さすがに当日に泊まるところがない、というのは避けたいし、野宿できるほどもう若々しいわけではない。バイクに乗るときは「下りたとき」のことも考える。如何にもバイク乗りな服装はしないようにしているし、かといって無謀な装備をするでもない。ヘルメットを脱いだらサイドバッグからブラシを取り出してミラーに向かって髪を梳く。少なからず丁寧さが表現されるように。
今年の旅は7泊8日の最長。さすがに一週間分の宿を予約するのは手間取った。ルートや時間も計ってみて、無理のない工程を。「つまらなくないか」と思われるが、面白いもので予定通りなどいかないのである。最初から工程がないと「思ってたのと違う」という楽しみも薄まってしまう。考えれば考えるほど考えと違うときの面白味が増す、そう思っている。

旅へ。

【10/09(sun) 東京〜芦屋】
朝の3時に目を覚ましシャワーを浴びて支度を開始。まだ夜も明けぬうちだ。天気予報を見ると日本海にかかっている前線が真東へ向かっているのでいつかぶつかるだろうという。
初日から天候が悪いと億劫なものだが、これから一週間分の予定をこなすのだから頑張って進もうとバイクにまたがる。装備は雨前提のフル装備。
さて、4時を回って家からほど近い首都高に乗り東名を目指す。ほぼトンネルの中であるし日曜日の朝なので車も少ない。大いに結構。雨だけ気にして前に進む。
グルグルと3周くらい左に回る大橋ジャンクションを超えて東名へ接続。うーん、さて雨が降ってきたぞ。さっそくだ。
雨の海老名サービスエリアを超えて静岡へ。何を考えたのか山側の新東名ではなく海側の東名を使ってしまう。まったく。豪雨ということはなかったが風が強い。
静岡を過ぎたあたりでは風にリアが流されヒヤリとした。大きなアメリカンバイクであるが、逆に風を受けると凧のようになってしまう。
さらに悪いことに雨が顎の下を通じてしみ込んできてしまった。胸元が底冷えしてくる。何やってんだろう、とはバイク乗りなら一度は考えるはずだ。まさにその通り。
タオルを首に巻いて道を進める。車が少なかったこともあり、速度は相当控えて休み休み進んだ。そのため名古屋についたのはお昼頃。夕方までに兵庫に行かねばならんのだがなぁ、と。
天気予報の通りであったがちょうど昼頃には前線が太平洋側に抜けたおかげで雨が止んだ。途中のサービスエリアにコインランドリーがあったので、首元が濡れたレインジャケットの上着だけ乾燥機に入れてしばらく待つ。なかなかしんどいな、と思いつつ。
名古屋からは伊勢湾岸自動車道、東名阪自動車道、新名神高速道路、大阪からは阪神高速と乗り継いで兵庫県に向かう。名古屋は元より京都も大阪も完全無視だ。
雨が止んだとは言えまだ風があったため、橋の多い伊勢湾岸道と阪神高速は辛かった。
なんとか兵庫県芦屋に降りる。もう日も落ちてしまった。バイクを止めて宿に向かう。JR芦屋駅のすぐ前にある竹園ホテル。老舗のホテルだ。
ホテルに荷物を置いてやっと一息つく。それこそ夜明け前から雨と風の中を必死に移動してきたわけであるからほっとする。よく死ななかったなぁ、などと考える。
雨と風の疲労を癒すため熱めのシャワーを浴びる。飯もそっちのけで眠ってしまいそうだ。
着替えて夕飯をどこで取ろうか考えているとホテルの外で祭りの音が聞こえる。何かやっているのだろうかと調べてみるとだんじり祭りだそうだ。
まぁどこでもやっているよな、と思いつつも折角なのでカメラを首から下げて威勢の良い掛け声の中写真を撮っていく。
一通り満足したら飯処を探す。芦屋駅前は意外と遅くまでやっている店があるので選べるものだ。もちろん遅くならないうちに就寝しなければならないが。
最初に考えていたところは創作和食の店であったがカウンターが埋まっており難しそう。気持ちを切り替えて向かいの焼き鳥居酒屋に入る。割と繁盛している。一合だけ日本酒を飲み、串や焼き物を食べる。おいしい。特に日本酒はおいしかった。秋が旬のひやおろし。とげとげしさもないが丸くなりすぎてもいない。はっきりと甘味と旨味があるのにいつまでもべったりと残らない。新鮮なのに落ち着いた味。以前金沢に行ったときに飲んだ菊姫もひやおろしで絶品だったが甲乙つけがたい味だった。銘柄を忘れてしまったのであるが…。
さて、腹も膨れほろ酔いとなり、いよいよ疲れもピーク。宿に戻って就寝。明日は四国入り。

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そのうち続く。



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