すると、左右の神様?が剣を持ってるのに気付いた。助かるぞって期待した。そしたらそれぞれ左右の、東西の鳥居の方へ離れた。
頭が黒蛇の祖父の偽者みたいなものが、
一歩、二歩とこちらに近づく。常人の自分はこういう話の定番で
気絶してたみたい。
気付いた時は
四方を開け放った社にいた。ど真ん中に剥き出しの御神体。剣なんだけど、かなり錆びてるやつ。
いつもの仏様みたいな
優しい祖父の笑顔。
「良かった。我が家は何代前かは分からない位、昔からあの神社の護りをしてきた。分かってると思うが、あれは普通の神社じゃない。
参拝客が来ないとか神主がいないとか、賽銭箱がないとかじゃない。そしてさっきお前が見た神様も
蛇も夢じゃない。
あれはな、もっと偉い神様の記憶なんじゃ。そして、お前に役目を引き継ぐ儀式だ。
ワシも昔、祖父から引き継いだ。しかし、お前の両親は知らない。代々孫に引き継ぐ決まりなんじゃよ。
怖かったろうな、すまんなぁ。でも運命なんじゃ、これだけは。別に何かこれからしなければならないとか、神主になれとかは一切ない。
とりあえず管理や掃除はワシが死ぬまではやる。しかし、死んだらお前がやるんだよ。
そしてお前もまた孫にワシがした事と同じ事をするんじゃ。儀式と言葉を覚えて、あとは掃除や管理をしておけば良い。あの約束を守ってな」
涙を流しながら祖父がそう言った。
「大学を出たらこっちで暮らせよ。ここでの暮らしが恐くなったろうけど、本当に普段何もしなくてもいいし、お前がまた神社に行っても何も起こらないから安心しなさい」
今二十歳。あと2年で京都の大学を卒業し、ここで暮らす事は確定してしまった。
《オカルト》本当にあった2chのほっこり&怖い話(神様系)より転載
★この話、あたいは信じるモンミ
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