島根県のある地方で。幼い頃よく山で遊んだ。山全部が自分のものみたいで嬉しかった。
誰も来ないし、辺鄙な場所なのに秘密
基地があった。秘密と名がつく自分だけの場所ってのは存在するだけで楽しいもんだ。
その場所は《神社》
しかも完全な正方形で左右対称。木の位置や庭石みたいなものの数まで。
さらに凄いのは前後も鏡みたいに対象なんだ。
奇妙なんだけど、鳥居も東西南北にあり、社も四面にある。
勿論狛犬も八体いる。
そんな奇天烈な神社で人も来ないもんだからちょくちょく一人で来てた。
また、祖父に他人を連れて行っては行けないとキツク言われていた。
さらにキツく約束させられていた事は、『この神社は西から入って南から出なければいけない。
10月だけは北から入って出口は東さらに
夜は行っては行けない。もし行ったら鳥居じゃない場所から出る事』
そして先日大学に通っていて久しぶりに帰る事になった。そして今夏の盆に祖父と久しぶりにその神社の話をしたんだ。
翌日二日酔いの早朝に祖父が自分を起こす。祖父は真っ白な服を着て白い徳利に日本酒を持っていた。さらには肩には朱色のしめ縄。
「夕べは楽しかったな。朝早くて済まないな。これから大事な用がある。夕べ話した神社に着いて来てくれ」
夜だが、朝に近い。
秘密
基地の約束からするとこの場合どこから入るのだろうか?と思案していると・・・
つづくモンミ
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