現在の日本で多用されているプロパガンダ手法を二つ、ご紹介しましょう。
一つ目は、国民のルサンチマンに訴えかける手法です。
ルサンチマンとは、弱者が強者に対して、
「憤り・怨恨・憎悪」の感情を持つことを言います。
特に、デフレの国ではこの種の「ルサンチマン手法」が流行します。
何しろ、デフレで国民が貧困化していくわけで、
人々は日々の生活において様々な憤り、
怨恨、憎悪の感情を貯め込んでいくわけです。
というわけで、デマゴーグ(大衆煽動者)が
ルサンチマンに訴える形で「敵」を作り出し、
それを攻撃することで自らの政治的立場を強化しようとするのです。
わが国では土木・建設業に始まり、公務員、電力会社、農協など、
様々な業界がルサンチマン・プロパガンダの「標的」にされました。
大阪都構想と称する「大阪市解体構想」では、
大阪市役所が「敵」として設定されました。
現在の豊洲市場騒動では、東京都庁です。
デフレ期のルサンチマン手法が危険なのは、
例えば「土建叩き」で公共事業を減らし、
公務員叩きで公務員給与を引き下げると、
デフレ促進効果が働いてしまうという点です。
公共事業を削れば、
GDPの公的固定資本形成という需要が縮小し、
当然、デフレ深刻化です。
あるいは、給料を引き下げられた公務員が消費、
すなわち民間最終消費支出という需要を減らすため、
やはりデフレ深刻化です。
デフレが深刻化すると、さらに国民にルサンチマンが貯まっていき、
ルサンチマン・プロパガンダの効果が高まるのです。
ちなみに、デフレ期のルサンチマン・プロパガンダが大成功し、
狂気のイデオロギーを叫ぶ連中が政権を握るに至ったのが、
まさに1933年のナチス・ドイツなのでございます。
二つ目、恐怖プロパガンダ。恐怖プロパガンダは
人々の「恐怖」に訴えかける手法で、
英語ではApeal to fearと言います。
福島第一原発の事故発生後のデマ拡散や、
「いわゆる国の借金(正しくは政府の負債)」の嘘など、
我が国では人々を恐怖に陥らせ、思考能力を奪い、
特定の政治的意図(反原発や緊縮財政など)を
達成しようとするプロパガンダが後を絶ちません。
「福島第一原発の事故で、東京も危険だ!」
「日本の借金は1000兆円を超え、国民一人当たり800万以上!」
など、出鱈目を叫び、相手に恐怖心を抱かせ、
自分たちの意図通りに動かす。あるいは、逆らわせない。
恐怖プロパガンダがルサンチマン方式よりも有効なのは、
「人間が一瞬で恐怖を抱く」ためです。
ルサンチマン・プロパガンダは、「敵」を設定し、
説明することで「敵であることを理解させる」
というステップを踏まなければなりません。
それに対し、恐怖プロパガンダは
短いスローガンを相手に連呼するだけで済みます。
テレビや新聞といった大マスコミは、
ルサンチマン・プロパガンダや恐怖プロパガンダを得意とします。
ワイドショーなど、ルサンチマンと恐怖で溢れ返っているわけです。
本来、正しい情報を拡散することで、
プロパガンダを打破するべき役目を
負っていると思われる「ネット」も、
最近ではルサンチマンや恐怖の拡散に
活用されてしまっている有様です。
皆様も、今後は注意して新聞やテレビ、
ネットの情報に接してみてください。
恐ろしいほど多種多様なルサンチマン・プロパガンダ、
恐怖プロパガンダが蔓延している現実が見えてくるはずです。
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