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2016年10月07日05:17

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ジュリアーノ カルミニョーラ ヴィヴァルディ 四季 

2005年、東京芸術劇場 9月、
ベネチア バロック 何とかという、15人位の編成の
ヴィヴァルディ 四季 を また聞いた。
Uチューブで、7番目くらいにアップされている。

ジュリアーノ カルミニョーラという、
当時、40歳くらいの人がコンマスというか、
第一バイオリンで、女性は一人。

カルミニョーラ氏だけが、黒いハイネックのTシャツで、
他の人は、燕尾服が多い。
彼は、ちょいと薄くなりかけた長めの髪の瘦せ型の人。
すぐそばの若めのメンバーがカラスの濡れ羽色なので、
柔らかな髪質が目立つ。
もっとも、ハープシコードのマルコン氏は、ぴかぴか頭だし、
他にもピカピカ氏は2,3人いる。
ビヴァルディは赤毛だったそうだけど、
このグループは、ほとんど日本人並みに黒い。

ピッチカートの時は、マンドリンみたいに、
ヴァイオリンを横に抱えて弾いている。

カルミニョーラ氏は、ウィキペディアで出てくる人で、
ネットでは、速過ぎる、と文句を言ってる人もいるくらい、
弾き飛ばすという感じの、軽いタッチの演奏。

しかし、この演奏を聞いた後で、一般的な速度の
四季を聞くと、ごってり重く、胸やけしそうに感じる。

もっとも、日本人が一番好きな 冬の有名なメロディーは、
あまりにも、あっさりと、ほとんどジャズ風といって良いくらいに
くずして演奏されるので、肩すかしの感じ。
「幼稚園児じゃあるまいし、一本調子に弾いたって面白くないでしょ?」
と言いたいみたいだ。
それとも、パガニーニのコンペティションに出るくらいだから、
あまりにも知られたメロディーを そのまま弾くのはバカバカしいのかな?

なんか、水墨画か、草書体の書家の さらさらと書いた
素人離れした よく分からないが、プロっぽい作品でも見ているよう。
ところどころ、かすれた感じがするのも、草書体。

それでも、ヴィヴァルディの原作の、小鳥の声や 木の葉のざわめきなんかは
こういう軽いタッチで弾き飛ばしてる方が、イメージ出来る気がする。

四季は、日本人が現代にイメージする季節感とは
かなり違ったニュアンスの音楽だし、ほとんど、戸外の自然の描写のせいか、
内面を掘りあげるような 人間達の心理描写でないし、
原作に添えられた ソネットの描写とも かなり違っているようだ。

私は、「春」なんかは、むしろ「冬」とした方が、
冬のヨーロッパで一般的な、クリスマスの雰囲気と感じる。
「冬」の人気のメロディーは、私にとっては、むしろ、春の小川。

ソネットにある、冬の氷の上で すってんころりんという描写が
どの部分なのか分からないのは 私だけではないらしいので一安心。

ベネチアは、海辺の町のせいか、冬も 雪でなく雨なのが、
ヨーロッパの中では、暖かいイタリアらしい。
ベネチアは、イタリアの中では、北部なのだけれど。

ビヴァルディが司祭のせいか、イタリア北部のせいか、
ナポリや ローマと全く違う雰囲気なのが面白い。
日本の元禄時代の人である。

冬の 明るいピチカートのメロディーは、
別人の 一音一音を しっかり響かせる演奏で聞く方が、満足出来ると思う。


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