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2016年10月03日05:43

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「貸しボート型の経営」

 長年生きてくると、物事の判断が「過去の経験」や「過去の事例」に基づいて行われることが多くなります。ちょうど「貸しボート」に乗って後ろ向きで漕いでいるときのように、目の前に見える自分が進んできた航跡を見ていると、すぐ後ろに迫る岩に衝突する危険性があるわけで、将来に向かって自分たちの行動をどのように進めるかを考えるとき、やはり『ゴール』を見定めると同時に、飛ぶ鳥を撃ち落とすには、取りの飛ぶ速度を考えて撃たなくてはなりません。その点、右肩上がりの経済の時代には、過去の延長線上に売り上げ目標を掲げ、がむしゃらに突っ走れば膨張する市場の「パイ」を上げ潮に乗って「占有率」獲得のために、ひたすら「叱咤激励」だけで、経営できましたが、今やそんな時代ではなく『右肩下がりの時代』に向けた「販売目標」どころか、むしろ別の商品開発が必要になることすら考えなくてはなりません。

 それと言うのも、いくら日銀の黒田総裁が「異次元緩和」を唱えて、「量的緩和」を展開し、「マイナス金利政策」を突き進めても、それに反応を示すはずの「市場」が違う方向に傾いていれば、その政策は効き目がないことになります。もちろん、日本企業の業績回復もなければ、物価が上がることも、消費税の再引き上げも、アベノミクスも空振りに終わるわけです。

 では、その市場は「高度成長期」と今とではどこがどう違うのでしょうか?最近の10年ぐらいの間は「団塊の世代」と言われた高齢者が定年期を迎え多額の退職金を手にして趣味に旅行に消費の主役を務める。そのような「アクティブ・シニァ」に向かって、政府も「相続税」の適用範囲を広げて、従来(5,000万円+法定相続人×1,000万円)以上の相続財産がなければ相続税はかからなかったのに、今では「3,000万円+法定相続人×600万円)までハードルを下ろして、何とか消費に回させることをもくろみ、生前贈与の非課税枠を拡大して子供の家の新築には1,500万円とか孫の教育資金の信託財産課税、こどもNISAなどあの手この手で年寄りの財産を吐き出させることを企てました。その団塊の世代も70歳代に突入して年金支給の減額や健康保険の負担増だけでなく、実際に健康を損なう事態が増えて「医療費」が従来の「通院レベル」から、「入院レベル」に変わり、これまでのように潤沢な生活が難しくなります。

 1947年〜1949年生まれの800万人が全員年金世代になり、65歳以上で2人以上の世帯の貯蓄は2,430万円ですが、一部の高額貯蓄者によって引き上げられていて、実質の中央値は1,547万円だと言われ、そのうち1,000万円以下の貯蓄しかない家庭では老後の蓄えが必要なため消費に慎重になって居ると言います。

 その下の現役熟年世代は、晩婚化の影響もあって子供に対する負担が重いうえ、社会コストに対する負担も重なり、老後資金を貯め込む余裕を失っていて、消費に慎重になって居ます。さらにその下の「ミレニアル世代=2000年以降に社会人になった賃金上昇を知らない世代」は将来給与が上がることに懐疑的な世代で、背伸びをしない低価格志向が強く、生まれたときからスマホがあって、ネットやYOU TUBEなどに簡単にアクセスでき、容易に行動できることから、自動車や家を所有することにこだわらず、シェアに抵抗感が少ない年代になって居ます。総務省の8月の家計調査では「消費支出」が前年比4.6%減で6ヶ月連続の減少となっており、インバウンド消費の減少を埋める代役が見つかりません。

 このように「市場のパイ」が高度成長期のように膨らんでいるのであれば、あるいは人口が爆発しているのであれば、「低金利」とか「供給不足」で「物価上昇」は期待できるでしょうが、現在は明らかに「市場のパイ」がシュリンクしています。このような時に従来と同じような商品を販売しようとしても過当競争になって価格低下を招くだけで、当然売り上げ減少、利益低下に陥るので、こうした観測を踏まえた戦略の展開が必要です。つまり「デジカメ+ケータイ+パソコン+時計=スマホ」のような機器こそがこのような時代にピッタリの商品であるわけで、小池知事のお話ではスウェーデンでは女性の社会参加は90%に対して、東京都は70%だと言いますが、そうなれば「食事の宅配=ケイタリング」とか、「ドレス・シェアリング」のような「ネットでドレスのカタログを見せて注文してもらって、家庭の届けて貸す」ようなビジネスなど、「家ぐるみサポート」のビジネスなどがますます増えていくことと思われます。

 究極のビジネスは「ホーム・コンシェルジェ」をネットを介して行うようになり、「月ぎめ定額」でいろんな心配や苦情を引き受けて処理を代行し、「健康相談」「法律相談」「育児相談」「学習相談」「家計相談」「冠婚葬祭相談」「離婚結婚相談」「事件事故処理」「旅行相談」などを専門業者の紹介などを通じて、多忙な家庭にアドバイスして助けることではないかと思います。お医者さんの紹介など命にかかわり急を要する場合など、どこに相談すればよいのかわからないこともあります。忙しい時にコンサート情報情報など調べて、チケットを買って、出かけるルートを調べていくのも面倒なのです。

 まだまだ生煮えのアイデアですので、皆さんでもっと素晴らしいビジネスを考えてみてください。その中から「時代の寵児」が生まれてくること請け合いです。
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