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2016年09月24日22:11

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米大統領選挙☆従来の公開討論会は候補者同士にある程度自制する気持ちがあったが、今回はまったく感情的かつ異質な討論会になる可能性も

米大統領選挙徹底解説(1):クリントンか、トランプか、かつてない激論が予想される公開討論会のポイント

中岡望 | 東洋英和女学院大学教授 ジャーナリスト 2016年9月24日 9時0分配信


遊説中のヒラリー・クリントン候補(写真:ロイター/アフロ)


米大統領選挙も終盤に差し掛かった。終盤戦の最大の焦点は大統領候補による公開討論会である。民主党のヒラリー・クリントン候補と共和党のドナルド・トランプ候補はメディアを通して、激しい人格攻撃を繰り返してきたが、いよいよ一対一の公開討論会で相間見えることになる。今回の公開討論会は「大統領候補討論会委員会(CPD)」の主催で3回行われる。初回の公開討論会は9月26日(現地時間)にニューヨーク州ロングアイランドにある小さな町ヘムステッドにあるホフストラ大学で行われる。司会者はNBCのニュース番組キャスターのレスター・ホルト氏が務める。公開討論会ではホルト氏が大統領候補に質問する形式で行われる。なお今回の公開討論会はクリントン候補とトランプ候補の二人が招かれており、リバタリアン党から立候補しているニューメキシコ州知事のゲーリー・ジョンソン候補は招待されていない。ちなみに1992年の大統領候補の公開討論会は、民主党のビル・クリントン候補、共和党のブッシュ候補、無所属のロス・ペロー候補の3人で行われた。

■質問内容は事前に知らされず、知識や能力が問われる

従来の公開討論会では「社会政策」「経済政策」「外交政策」の3つの分野で討論が行われてきた。今回の討論会は「アメリカの進むべき方向」「アメリカの繁栄を実現する」「アメリカの安全保障を守る」の3つ分野で行われる。ただ、主催者によると討論のテーマは状況によって変更される可能性もある。質問内容は候補者には事前に教えられることはないので、候補者は答弁の準備はできない。候補者の知識や能力が直接問われる仕組みになっている。ちなみにブッシュ前大統領は公開討論会の際にイヤホンをしていたことで、舞台裏からスタッフの支援を得ていたのではないかと疑われたこともあった。3回の公開討論はいずれも午後9時から10時半(東時間)が予定されている。

2回目は、10月9日にミズリー州セントルイスのワシントン大学で行われる。第1回と違い、公開討論の前半は司会者と候補者の間で質疑応答が行われ、質問に対して候補者は2分の回答時間を与えられ、さらにそれに対して司会者が追加質問をする形式が取られる。後半はタウンミーティング形式で行われ、公開討論会に出席している市民が直接候補者に質問することになる。討論に参加する市民は主催者が選んだ党派性のない人たちである。司会者はCNNのキャスターのアンダーソン・クーパー氏とABCの国際問題担席記者のマーサ・ラダッツ氏が務める。3回目は、ネバダ州ラスベガスにあるネバダ・ラスベガス大学で10月19日に行われる。公開討論は第1回と同じ形式で行われる。司会者はフォックス・ニュースのキャスターのクリス・ウォリス氏である。なお、副大統領候補の公開討論会も1回行われる。日時は10月4日、場所はバージニア州ファームビルのロングウッド大学である。討論時間は90分で、討論は9つのセッションに分かれ、各10分で行われる。討論はまず司会者が最初の質問をし、各候補者がそれに対して2分で答える。それを受けて司会者がさらに質問をすることになっている。

■公開討論会の歴史と選挙結果に対する影響

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■今まで以上に重要な討論会、問われる両候補の「信頼」と「資質」

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■両候補の討論会での戦略

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■民主党、共和党の党派の垣根を越えた混戦へ

今回の公開討論会では、かつてないほど激しい議論が展開される可能性がある。クリントン陣営は、トランプ候補の過去の発言を詳細に調べ上げ、攻撃を加える作戦を練っている。トランプ候補の嘘や事実誤認、主張の根拠薄弱さを指摘する戦略である。そのためクリントン陣営は事前に数日を使ってクリントン候補の予行演習を綿密に行っている。クリントン候補は支持者に送ったメールのなかで、「今まで多くの討論会を行ってきたが、26日の討論会は最も重要なものである」と書いている。それほど最初の討論会を重視しているといえる。

これに対して、トランプ候補は過剰な予行演習は逆効果だと、対照的な態度を取っている。また討論会は仕組まれたもので、司会者は偏見を持っていると、討論会自体に懐疑的な姿勢を示している。さらに「クリントン候補が敬意をもって自分に接するなら、私も敬意をもって彼女に接する」とクリントン候補の攻撃を抑えにかかっている。同時に「私はクリントン候補の電子メール問題やイスラム国問題を取り上げる」と攻撃の姿勢も崩さない。ある専門家は、クリントン候補は厳しい討論に直面すると予測する。なぜなら「トランプ候補が何を主張するか予想しがたい」からだと説明している。従来の公開討論会は候補者同士にある程度自制する気持ちがあったが、今回はまったく感情的かつ異質な討論会になる可能性もある。また、今回の選挙は、共和党のブッシュ元大統領がクリントン候補を支持し、民主党幹部がトランプ候補を支持するなど、従来のような民主党対共和党という党派の対立を越えた次元で行われている。それだけに、今回の公開討論の持つ意味は大きいといえよう。

中岡望 東洋英和女学院大学教授 ジャーナリスト


東洋英和女学院大学教授。マクロ経済学、国際経済学、アメリカ政治思想史などを担当。東洋経済新報社編集者を経て、フリー・ジャーナリスト。アメリカの政治、経済、文化問題、国際金融問題について執筆。フルブライト・ジャーナリスト。ハーバード大学ケネディ政治大学院客員研究員、ハワイの東西センター・ジェファーソン・フェロー、ワシントン大学(セントルイス)客員教授。著書に『アメリカ保守革命』(中央公論新社)など。

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakaokanozomu/20160924-00062508/
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