今日は旧暦の8月15日、中秋節です。
中秋の名月、つまり十五夜、お月見の日です。
中華圏では月餅が定番アイテムですが、日本でお月見と言えば、うさぎ、団子、すすきってのが思い浮かびます。
しかしなぜ、うさぎ、団子、すすきなんでしょう?
まずはうさぎと団子について解説しましょう。
古代中国では、月にうさぎがいて不良長寿の霊薬を作っているとされていました。
月の模様を「うさぎが臼の中に入れた材料を杵で粉にしている姿」と見たわけです。
これが日本に入ってくると「うさぎが餅をついている姿」になりました。
つまり月見団子とは、元々うさぎが作る不老長寿の霊薬を表しているのです。
次にすすきですが、万葉の昔から秋に鑑賞する植物として愛されてきました。
つまり秋の象徴として飾られるわけです。
ですが、これはあくまでも表面上のこと。
「化け物の正体見たり枯れ尾花」
尾花とはすすきのことであり、「恐怖心があると枯れたすすきさえ異形のモノに見えてしまう」という意味です。
逆に見ると、昔の人は枯れたすすきに異形の存在を重ねて見ていたことになります。
妖怪やお化けといわれる異形の存在は、かつては神でした。
日本神話における神々の一派「国津神」は、朝廷に従わない地方豪族のことです。
それらを打ち破った朝廷は、彼等を神でなく化け物としました。
熊や蜘蛛や鬼などであり、これらが後の妖怪となるわけです。
つまりすすきを飾るという行為は、朝廷に滅ぼされ異形の化け物に落とされた、かつて神だった者達をを奉っているのです。
少なくとも日本における「お月見」とは、
1、天界(=月)からもたらされる霊薬を食べ不老長寿を願う
2、かつて滅ぼし、その存在自体を穢した人々への負い目から来る恐れを払拭するために奉る
という二つの意味があるのです。
嘘ですけどね。
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