ドゥーチュィムニー「辺野古移設訴訟が結審＝是正指示、知事不作為めぐり―９月１６日判決・高裁那覇支部」

　米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の名護市辺野古移設をめぐり、埋め立て承認取り消しの撤回を求めた是正指示に沖縄県の翁長雄志知事が従わないのは違法だとして、国が翁長知事を相手に起こした不作為の違法確認訴訟の第２回口頭弁論が１９日、福岡高裁那覇支部（多見谷寿郎裁判長）であった。翁長知事への尋問が行われ、結審した。９月１６日に判決が言い渡される。


　知事は、是正指示は地方自治を軽視した違法な国の関与だなどと訴え、国の請求を退けるよう求めた。


　尋問は県側が申請。翁長知事は協議による解決を求めた国地方係争処理委員会の判断に基づき、問題解決のために積極的な措置を講じており、是正指示の不作為による違法には当たらないなどと主張した。


　辺野古移設をめぐっては、国が昨年１１月に承認取り消しの撤回を求める代執行訴訟を提訴。今年３月に和解が成立し、国は和解に基づき承認取り消し処分の撤回を求めて是正指示を知事に出した。県は是正指示の適法性について国地方係争処理委に審査を申し出たが、同委は「国と県は普天間飛行場返還という共通の目標実現に向け、真摯（しんし）に協議すべきだ」とし、判断を避けた。


　国は、前知事の埋め立て承認は公有水面埋立法の要件を満たしており、是正指示に従わない翁長知事の対応は違法として今年７月、違法確認訴訟を起こした。国側は弁論で、和解条項には司法手続きより協議を優先させるとは定められていないと主張した。