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2016年09月02日01:04

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『言の葉の庭』

『言の葉の庭』

2013年日本
監督:新海誠

なにやら『君の名は。』がシン・ゴジラ並みにウケている、というので、
新海誠作品を見直してみた。

『ほしのこえ』と『雲のむこう、約束の場所』しか
観たことがなかったので、
この『言の葉の庭』と『秒速5センチメートル』を探したんだけど、
どこも借りられ中。
皆、同じことを考えてるのね。
なんとか『言の葉の庭』だけレンタルして視聴。




おおお



相変わらずの美術の美しさよ。
震えるほど美しい。

雨の雫、蛇口、人物の輪郭線など
気が狂ったように緻密に描写されている。

しかしこれも相変わらずだけど、ストーリーはどうでもいいって感じ。
ひたすら絵的な美しさだけを追い求めている。
まるで『四月物語』の頃の岩井俊二のよう。

絵柄も洗練され、萌えキャラとは一線を画すキャラクターデザイン。
ちょっと足が長すぎるけど。

しかし、ここまでリアリティを求めるならば、実写でいいじゃん!
とも思うけど、これを実写でやったら、大変つまらない作品になると思う。
アニメだから「すごいなあ」と感心するのだ。




でもね




一つは、もう少しラストの盛り上がりが切ない感じにならないかなあ、ということ。
15歳の高校生が27歳の先生に恋する物語なんだけど、
もうちょっとどうにかなるだろ、と思う。
泣いたり叫んだりすればいいってもんじゃない。
時かけの「未来で待ってる」みたいなのが欲しい。

もう一つは、あまりにも背景美術に特化していて、
アニメーションの本分である、キャラの動きが良くないこと。
アニメーションは動いてナンボである、と手塚治虫も涅槃で言っている(と思う)。
背景がすごいのは良くわかったからさあ、
キャラをぬるぬる動かしてくれよ。
色味だけ綺麗でもリミテッドアニメじゃ萌えねえよ。
変態高校生に撫でさすられる、先生の美しい生つま先を、
中7のフルアニメでぬるぬる動かしてくれよ。




とはいえ




ジブリ解体後、細田守が主流かと思いきや失速。
新海誠は日本アニメの最後の良心の砦になった。
(萌えアニメを除く、一般向けアニメとして)

深夜のキモい萌えアニメに近づきたくない人、
ジブリがなくなってしまって観るモノに迷っている人、
日本のアニメって、やっぱすげえ! って思いたい人には、
まあまあオススメです。



☆☆★★★
全体で46分しかないので、気軽に観られます。
本当に絵は綺麗です。

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