嘘と笑顔。

久しぶりにヴァンさんの話をひとつ。

毎日暑い日々が続いていますが、
わたくしマメシバ、冷房に弱いひとです。
冷え性なのですぐ手先足先が冷えてしまううえ、腹を壊しやすい質。
できれば、自宅では冷房を控えたいと考えています。

さてそんな飼い主に対して、ヴァンさん。
四肢先端までモフモフした灰色の毛でおおわれており、体温調節は
鼻、口、肉球の三か所でしか行えません。
つまり、夏は地獄。


わたくしが勤務中は、留守宅の冷房をつけっぱなしだったので犬天国だった昼間ですが、
有給消化中の現在、ヴァンさんにとって私は邪魔以外なにものでもなく。
とにかく、冷房をつけろつけろと盛んにアピってきます。


アピールその１：うろうろします。
とにかくうろうろして、時々飼い主の足に鼻先をつけます。
これは「暑くて寝てらんねーよ、いい加減にしろやオラ」の意と思われます。


これを放っとくと、
アピールその２：笑顔になります。
私の足元にきちんと座り直し、口をあけて見上げてきます。
これは「暑！暑いー！もう口から風を入れるしかない！」の意と思われます。


更に、見て見ぬふりをすると、
アピールその３：２の状態のまま、ハアハアと呼吸が小刻みになります。
これは「もう無理。死んじゃうからね、わかってんのか！？」の意と思われます。


さすがに飼い主、鬼じゃありませんので（←結構引っ張ったけど）、
その３を確認すると速やかに窓を閉め、冷房のスイッチを入れます。

でもね、納得いかないのがね。
冷房のリモコンの「入」ボタンを押す

ピ

の電子音が鳴った直後に、
ヴァンさんの呼吸が落ち着き、口を閉めてゴロリと寝転がるのです。
ええ、「あーようやく涼しくなった、寝よ寝よ」と言わんばかりに。


でもねヴァンさん。
冷静に考えてみてくださいよ。
家のエアコン、古いタイプだから「入」押して冷たい風出てくるのに、１〜２分かかるんですよ。
「ピ」て鳴ったからって、あんたが寝転がるほど早く涼しくなりませんて。


推察するに、イヌ的には

１．飼い主にアピる
２．飼い主が小さな箱を「ピ」ていわす
３．涼しくなる！！！

ていうのがもう刷り込まれてるんでしょうね。
「２」が終わった後、もう涼しい気分になっちゃって安心しまくるようなんです。

...なんだそれ、所詮愚かなケモノめが！


ま、ね。
獣医さんにも言われてますから。
イヌは体温も高いし、温度調節もできないんだからすぐ冷房いれてあげて、ってね。
入れますよ。人間は、自衛しますよ。わかってますけど。


...なんだか、ゴロリと寝転がる犬をみながら、釈然としない飼い主だったのでした。