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2016年08月21日18:16

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ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜

『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜』を観て来ました。
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どんな芝居かと訊かれ、「成海璃子が全裸になっておっぱい放り出して、賀来賢人が全裸になって、チンコ放り出して、スキャットマンジョンで踊り狂う芝居だった。いやぁ、成海璃子、おっぱい垂れてたは。賀来賢人のチンコはデカかったは。」と言ったら、信じてもらえるだろうか?
いや、本当に、そんな芝居だったんだよ!!

『犯さん哉』、『奥様お尻をどうぞ』に続く、古田新太氏とケラ氏がタッグを組んだ、ナンセンスコメディ芝居。これでこのシリーズは最後なんだそうです。

前回の2つと比べても、今回が1番、ついて行けなくなる確率が高い芝居だったかと(笑)。本当に、意味はないから。オカシナ人達のオカシナ言動を、ひたすら追って行く芝居。面白いケドさ。
冒頭、ケラ&ザ・シンセサイザーズの歌(問題アリ)が流れて、ちょっとテンションが上がった。私はやっぱり、唄っている時のケラ氏の声が好きなんだな。また、空手バカボンやって下さい(何でも。内田氏が面倒くさがらなかったら、空手バカボン出来るらしい。ケラさんは、空バカの新曲を作りたいんだって)

楽日近かったからか、当日券を求める人の列も結構あった。

※以下、ちょっと内容にふれてしまう可能性のある感想を書きます。まだ芝居は続いていますし、ネタバレがNGの方は、ここから先は読まないようお願いします。

では、ネタバレOKの方のみいらっしゃいまし〜。

ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜
作・演出:ケラリーリノ・ザンドロヴィッチ

出演:古田新太(名探偵アラータ弁護士、アドルフ・ヒトラー、インド・ガリレイ) 成海璃子(アンネ・フランク、ユダヤ人、妖女コゴルゴンゾーラ、動物園の女) 賀来賢人(ガブリエル、ユダヤ人、側近、そば屋、飼育員) 大倉孝二(神様、アンネのママ、守衛、マスター、警察官) 入江雅人(アドルフ・ヒトラー、ユダヤ人、アンネの姉マルゴー、そば屋の客) 八十田勇一(アンネのパパ、盗賊、ユダヤ人、側近、そば屋の客、主婦、警察官) 犬山イヌ子(アルジャーノン少年、ユダヤ人、ヒトラーの母親) 山西惇(平山(ガブリエルの義父)、ユダヤ人、ゲッペルス、主婦、ヒトラー研究家) 

ざっくり粗筋・・・を書こうにも、筋そのものには意味はないんだよ。

一応。こんな設定がある。
あの世のヒトラーとユダヤ人。ヒトラーは、ガス室送りにしたユダヤ人にちっとも謝らない。そこに現れたいい加減な神様。ヒトラーはその神様と意気投合。その神様からの依頼として、ヒトラーの悪行を止める・・という仕事が、三重人格の名探偵アラータ弁護士の元に入る。キチガイ博士の作ったタイムマシンで、ヒトラーのいる時代へ行ったアラータと助手のアルジャーノン少年。
アルジャーノン少年は、そこで、アンネ・フランクに出会い一目惚れ。アンネを死なせないよう、ヒトラーの悪行を止めようと奮闘する。
その一方。オランダに移住してきた、日本人の男性平山。彼の娘の百合子は、オランダ人である黒人男性ガブリエルと結婚し、鎌倉からオランダに移住してきた矢先、ドイツ軍がオランダに侵攻してくる。百合子は亡くなっており、百合子の父・・・すなわち、ガブリエルの義父の平山は、ガブリエルに再婚を勧めるも、ガブリエルはあまり良い反応をしない。そんな矢先、ガブリエルの隣りのユダヤ人に自分たちの住まいを隠れ家として貸してしまい、彼らは、アンネの隠し部屋へと越して来る。
アンネは、ガブリエルを知っており、しかも、ガブリエルに惚れている様子。アプローチをかけるアンネだが、ガブリエルはあまり乗り気にならない・・・。

ヒトラーは、良く分からない行動をここでも起こして皆を混乱させてる様子。三重人格探偵アラータ&アルジャーノン少年は、ヒトラーを止められるのか?はたまた、アルジャーノン少年の恋の行方は?

そんな話。でも、あまりこの筋自体に意味はないと思う。
でも、ガブリエルと義父の話は、結構良い話テイストに進みそう・・になりつつ、結果酷いんだが(^_^;)。ガブリエルの義父は、百合子以上にガブリエルを大事に思っており、大事に思い過ぎて、「ガブリエルには自分が1番だとずっと思っていて欲しい。」と思っている(この時点で、どうかと思うが・・・)。それなのに、義父は、再婚しろと見合い相手の澄江を紹介したりする。ガブリエルは「ボクには、パパさんがいるから。」と、現時点では義父が1番の様子。でも、アンネの押しの強さに負けて、「まぁ、ちょっとは好きかな程度ですケドね!」と言ったりする。

今回、久々にケラさんの客イジリを見たなぁ。客席の1人にピンスポを当て、その人が、心の中で思ったコトをナレーションで流す・・という手法。(私の大好きな“テクノ・ベイビー”でもやっていた) 『あ〜あ。何この芝居。こんなコトなら、松尾スズキの芝居に行けば良かったなぁ。シアター。コークンの。」 アラータ「シアターコークンって言ったね?コクーンだから。それに、松尾さんの芝居、先週終わってるから。」(この芝居の初日から暫くは、松尾氏の芝居と被っていた)

ウケてる人(ナレーションが流れる)には、「有難うございます。」と挨拶をしたり。

アラータは、ブリーフ1丁に黄色いトレンチコートという変態のような恰好なのだが、ブリーフに、マシュマロを忍ばせており、そのマシュマロを、状況に応じて客席に投げつけたりする。
途中「うわぁ!」と客席から悲鳴が上がったのだが、マシュマロが天井から降って来たのか。(通路に振って来たらしい) マシュマロと言っても、こちらは、発砲スチロール製の偽物ね。

途中、実は、皆精神病で、各々妄想を見ている・・みたいな場面があったのだが、ちょっと、鴻上尚史の『トランス』を思い出してしまった。くるくる患者と医者が入れ替わる。成海璃子に「ダメだ。彼女、自分を、ちょっとサブカル入った女優だと思い込んでいる。」 賀来賢人に「ダメだ。アイツ、天然パーマのイケメン役者だと思い込んでいる。」

あと、今回の芝居、天井からマシュマロもそうだが、無駄に仕掛けに金がかかっていた。「金の無駄使い」って思った(笑・誉めてます)。舞台上の天井から水をかなり大量に降らせるって言う。で、皆全裸になって、ポーズしてた。全裸と言っても、ボディスーツを着てるんですが。女性陣は、やたら、デカイ垂れ乳付きで、男性陣は、すんごいデカイチンコ付き。その後、皆で、スキャットマンジョンで踊り狂う。何だったんだ、あれ(笑)。
あの水、大変だったろうな・・と思う。スタッフもバケツや、ポリバケツで、役者に水をぶっかける。

あと、このお芝居、冒頭で、入江さんが出て来て、「自分が主役だ」と言う。「主演の入江雅です。」と。その入江氏は、冒頭で、楽屋泥棒をする盗賊を捕まえる。しかし、盗賊は逃げてしまう。そこから芝居が始まるのだが。この盗賊は、舞台本編にもチョコチョコ出てくる。雑に扱われてたケド。本編でも、何か盗んでたよな。

そば屋のシーンが凄くケラさんのナンセンスコメディっぽいシーンだった。横書きのメニュー。実際は、縦書きの注文書。「バババババババババ大盛りで。ソソソソソソソソ追加。」(メニューには、横書きで、ソバと書いてある)

ヒトラーの会議室へ行くビル。妖怪が多数いるのだが、その中の1つが妖女ゴルゴンゾーラ。成海さんが演じてる。アラータに「それ、嫌って言わなかったの?吊るされて。」 成海「言ったんですケド。」 アラータ「演出家に?舞台監督?」 成海「演出家に。」 アラータ「自分で?」 成海「いえ、マネージャーが。」 アラータ「あぁ、マネージャー経由で伝えると、気分を害する演出家もいるからね。江口洋介なんて・・・」 アルジャーノン「オイオイオイ・・・。」 江口洋介が何だったのか気になって仕方ない(^_^;)。(江口氏は、ケラ氏演出の『どん底』に出ている)

アンネの姉は、可愛いアンネを憎いんでいるようだ。アンネが書いた日記を読み、怒るアンネ。「人の日記を読むなんて最低だは。」 アルジャーノン「これから暫くして、世界中に最低な人間が溢れるんだケド。」(アンネの日記な)

アンネが「やきもち」のコトをずっと「焼きおもち」と言っているのだが、誰もツッコまない。

こういうナンセンスコメディを書くの大変だと思うのですよ。頭と体力と精神力と。あと、演じる方も大変だよね。通常の芝居だったら、話の流れがあるから、自ずと流れに乗れるし、役柄に感情も入るだろうけど、コレ、そういう類の芝居じゃないもん。感情も乗せられない(乗せたら逆に変になる)。唯一感情が乗せられた人物は、賀来氏が演じてたガブリエルだと思う。

義父が見合いの時に言った「え?ガブリエルを黒人だと思っていなかった。大丈夫ですよ。人は食いません。そういう種族じゃないんで。」ってかなり酷い台詞だよな(^_^;)。ガブリエルも「ええ?!」って顔で義父を見る。でも、義父はフォローしたと思ってるんだよな・・・。

あと、この芝居に良く出て来た台詞で「ご都合主義。」 最後もご都合主義で、ヒトラーはユダヤ人虐殺をやめ、アンネもそこそこ幸せに暮らした・・・となる。

ベルが鳴ると、アラータの人格が変わる。第2の人格は子供の人格らしく、とにかくブリーフ一丁になりたがる(^_^;)。

こんな芝居でした。今回でこのシリーズは終わるらしいのですが、ケラ氏には、またナンセンスコメディを書いて欲しいです。ナイロン100℃でも良いし、こういうユニットでも良いので。
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