…昨日の話し。
午前中、DVDでギヨーム・カネ監督の「唇を閉ざせ」を観て、昼から御成門のみなと図書館経由で京橋フィルムセンターへ。
午後3時、加藤泰監督の「男の顔は履歴書」を。
午後7時、同じく加藤泰監督の「阿片台地 地獄部隊突撃せよ」を観てまいりました。…“ 安藤昇映画 ” 大会って感じでしたね。(笑)
☆「唇を閉ざせ」(2006)監督 ギヨーム・カネ 出演 フランソワ・クリュゼ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンドレ・デュソリエ、クリスティン・スコット・トーマス、フランソワ・ベルレアン、ナタリー・バイ、ジル・ルルーシュ、マリナ・ハンズ、ジャン・ロシュルォール
8年前に愛妻マルゴを惨殺された小児科医アレックスは、ある日、妻と自分しか知らない暗号「M+A」と書かれたメールを受けとる。その内容に従って、あるサイトにアクセスすると「現在のマルゴ」が映っていると思われる動画が再生される。
妻が生きていると考えたアレックスは、彼女の死体を確認した唯一の存在である妻の父で元警官のジャックに当時の死体の情況を尋ねるが、マルゴの死を否定する可能性を得ることができなかった。
納得できないアレックスは真相を突き止めようとするが、謎の男たちに陥れられ、マルゴの親友シャルロットを殺した容疑者として警察に追われることに……。
アメリカのミステリ作家ハーラン・コーベンの同名小説を、若手俳優としても人気のあるギヨーム・カネが映画化。
1973年生まれの現在43歳。映画製作当時は33歳の若さで 、これだけの作品を物するなんて、たいした力量だと思います。
だいたいフランス発のミステリ映画って、雰囲気重視で、ロジカルな部分は弱いのが不満なとこなんだけど、本作はわりと原作に忠実に丹念に映像化されていて面白かったです!
…難を言えば、あまりに原作を意識してか、人間関係の整理が上手くついておらず、ゴチャゴチャし過ぎて解りにくい。あんまりシンプルにし過ぎて、単なるサスペンス・アクションにしたくなかった気持ちはわかるけど、ね。
☆「男の顔は履歴書」(1966)監督 加藤泰 出演 安藤昇、中原早苗、中谷一郎、内田良平、真理明美、伊丹一三、菅原文太、田中春男、浜田寅彦、沢淑子、三島雅夫、香山美子、嵐寛寿郎
『加藤が松竹大船撮影所に呼ばれ、安藤昇主演に初めて撮った野心作。戦場体験をもつ医師の主人公の元に急患が運ばれ処置する現在と、昭和23年の闇市での騒動が平行して語られる。加藤は本作で初めて戦後を題材にし、日本人と朝鮮人(劇中での呼称は「三国人」)の憎しみと暴力の連鎖を徹底して描いた。親交がある野村芳太郎と山田洋次の協力を得て撮影され、スタッフの多くも山田組である』
“ 在日朝鮮人 ” をテーマにした映画は、浦山桐郎監督の「キューポラのある街」あたりが初めてだと思いますが、こんな作品もあったんですねぇ。
なかなか見応えのある映画だと思いますが、如何せん台詞があまりにも説明的!(加藤泰と星川清司の共同脚本)
…昭和41年、まだまだ戦争の影が射していたのですね。
☆「阿片台地 地獄部隊突撃せよ」(1966)監督 加藤泰 出演 安藤昇、南原宏治、久保菜穂子、ペギー藩、高宮敬二、菅原文太、諸角啓二郎、江見俊太郎、渡辺篤、左卜全、砂塚秀夫、佐々木孝丸、沢淑子
『安藤昇のプロダクションであるゴールデンぷろの製作。上官に反抗し、「地獄部隊」に送られた宇留木は、中国娘の美雲と恋に落ち、日本軍の資金源である阿片の撲滅への協力を頼まれる。本筋とは別に群像喜劇の側面も印象的で、カット割りと美術の抽象性も出色。ペギー藩(藩迎紫)はのちもアンジェラ・パン等の名で、台湾や香港で活躍』
相当ムチャな設定ではありますが、戦争喜劇としてはかなり面白いのではないでしょうか。
安藤昇が、芝居らしい芝居をしない(彼はそれで十分な存在感なんですが)中、周りを芸達者な連中が固めるという形が、いい。
…但し、日本語のたどたどしい中国人女優ペギー藩とセリフ棒読みの安藤昇のラブシーンはいただけなかった。(笑)
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