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2016年08月09日19:38

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『異次元へのパスポート』

『異次元へのパスポート』ジョン・カードス監督、アサイラム配給、1980年
https://www.amazon.co.jp/dp/B0183943VQ/

長らく気になりながら見そびれていた作品をようやくDVDにて鑑賞。DVD宣伝コピーや映画感想ブログなどではデビッド・アレン氏の特殊効果が唯一の売りみたいに言われているが、実はジム・ダンフォース氏のマットペインティングが用いられた箇所があったりする。

老夫婦とその娘夫婦、そしてその子供たち(思春期くらいの兄と幼い妹)の6人家族が荒野の一軒家に引っ越してくる。祖父と父は建築家というわけで新居はやたらとデッドスペースが多そうな現代建築。だが、彼らが到着した時、屋内はすでに何者かに荒らされていた。義父・義母と妻子を家に残し父はいったん職場に向かう。

夜になってその家の周りで奇妙な現象が生じる。乱舞する光、宇宙船同士の空中戦、家に入ってくる小型ドローン、そして家に押し入ろうとする獣とも爬虫類ともつかない怪物ども…老夫婦と母、兄が憔悴する間も小さい妹だけはその家で新しい「友達」ができたことを喜んでいた。

 自宅との連絡がつかないことに業をにやした父親が自宅にむかおうとするも事故で車を失ってしまう。

夜が明けた時、家に残った家族は自分たちが宇宙船の墓場のような世界にいることに驚く。突然巻き起こる嵐と崩壊する家。彼らはいったいどこに行くのか、ちりぢりになった家族は再会できるのか…

私がこの作品を気にしていた理由は、荒野の一軒家が次元の狭間に飲み込まれ、怪物に襲われるという設定がホジスンの『異次元を覗く家』によく似ているからだった。『異次元を覗く家』でその家に住んでいたのは老人とその妹ということで、この夫婦での老夫婦とイメージが重ならないでもない。

この作品はもともと未来の宇宙船レースを描いた映画にするつもりだったのが低予算ではできようはずもなく企画変更したものだという。なるほど、現代建築だと称する奇妙な形の一軒家も、宇宙船のモデルやセットも、『スター・ウォーズ』風の作品のために準備していたものだったのか。



なお、幼い妹の「友達」は手のひらに乗るくらいのグレイタイプ宇宙人。このあたり『未知との遭遇』の影響がうかがえるが、デビッド・アレン氏のマペットによるグレイというのはそれなりに貴重かも。

ところで物語自体はとろくてあまりお勧めできないです(出てくる俳優も6人家族と、父親が帰宅途中に立ち寄るガソリンスタンドの親父の計7人のみ)。


ただ、幼い妹を演じた子役が難しい演技をよくこなしていた(『悪魔の棲む家』『エンティティーー霊体ー』などのナターシャ・ライアンさん)と、父親役の俳優が手綱のみで鞍どころか轡もない裸馬を乗りこなしていた(『大いなる決闘』のクルストファー・ミッチャムさん)のには感心したけど

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