妙高山の右から朝日が上がってきた。
白馬岳山頂からのご来光だ。
朝の光が広がっていく。
白馬岳は今回4回目の登頂だ。
だが、今まで山頂でご来光を見たことはなかった。
1回目は20代のころ、大雪渓を登ったが、山頂に着いた時はガスがかかっていた。翌日も天気が悪く下山した。
2回目は白馬大池、鑓温泉の2泊で行ったので山頂に着いた時は日は高かった。
3回目は息子と唐松岳へ縦走した。前日に山頂に登っていたし、その日は早く出たかったので途中でご来光を見た。
今回やっと白馬岳からご来光を拝むことができた。
8月4日
蓮華温泉を暗いうちに出た。今日は8時間コースだ。
兵馬ノ平を過ぎると道はどんどん下って行く。
濡れた木道で滑ってしまった。ゆっくりゆっくり下る。
単独の男性、夫婦連れに追い越された。
瀬戸川まで300mほど下ると登りが始まる。
もし逆コースだったら、最後に急登が待っているのだ。
カモシカ坂はかなりの急登だった。一度追いついて追い越した夫婦に先を譲った。
少し緩やかになった所で休憩にした。お腹がすいていた。
汗びっしょりになっていた。
吹上のコルに着く。ここを右に行けば日本海に出る栂海新道だ。
その先には気持ちよさそうな草原が見られた。
朝日岳山頂に着く。
白馬岳から縦走して明日蓮華温泉に下るというグループで賑わっていた。
ベンチが一杯だったので大きな石の上に座った。
すると先ほどのご夫婦が席を詰めて座れるようにしてくれた。彼らもテントだった。明日も白馬岳で一緒になる。
皆が朝日小屋に下った後もしばらく静かな山頂にいた。
周りの山はガスがかかって見えなかったが、朝日岳の上だけは晴れていた。
朝日小屋に行く途中でライチョウを見た。少し離れたところにヒナが3羽いた。
小屋に着いてテントを張った。今日は二組の高校の山岳部がいて賑やかだった。
先の夫婦とお話をした。Nさん夫婦だった。
滋賀県に住んでいてご主人は最近資格を取って山岳ガイドを始めたそうだ。奥さんは信州大学のワンゲル出身。どちらもかなりの山家だ。
それからコミュでこの日、朝日小屋に泊まることがわかっていたカタクリさんも話しかけてきてくれた。彼女は逆コースで明日は蓮華温泉に下る。
夕飯を終えて、夕日を見ようと少し高い所に行った。
するとNさんたちも来て一緒に日没を待った。
「あっ、ブロッケンだ!」振り向くと、夕日でできたブロッケンが見えた。
朝日でできたブロッケンを見たことはあるが、夕日でできたブロッケンを見たのは初めてだった。
日が沈む。
「じゃあまた明日白馬岳で会いましょう。」
8月5日
朝日岳山頂でご来光を待った。
焼山の左から朝日が上がった。
いいお天気だ。
正面にはこれから登る雪倉岳、白馬岳。
立山剱岳も近い。
高校生が上がってきた。彼らは蓮華温泉に下るそうだ。
皆がいなくなってゆっくりしてから白馬岳に向かう。
朝露に濡れたチングルマの実が宝石のように輝いている。
雪倉岳の登りになる。思っていたよりもきつい登りだ。
地図を見ると山頂は稜線から500mくらいの標高差があるのだ。南アルプス並みだ。
「1,2,3、、、100」きつい登りではいつも100まで数える。。それを何回も繰り返す。
やっと雪倉岳の山頂に着いた。
白馬岳と立山剱岳が雲で見え隠れしている。
何故か山名版は寝ているようだ。なので私も・・・
後からごろうさんも同じポーズで写真を撮っていたことを知った!!!
みんなここではこのポーズをしたくなるのかな?
雪倉岳から200m下って、また白馬岳まで500mの登り。何ともきつい縦走路です。
やっと着いた白馬岳山頂には大勢の人。
人気の山だから当然でしょうね。
キャンプ場に下る。テントもたくさん!!
しばらくすると、Nさんの奥さんが来た。彼女たちは12時に着いたそうだ。速っ!!
それで、明日ピストンするはずだった清水岳に登ってきたそうだ。元気!!
ご主人はさらに旭岳も登りに行ったそうだ。タフ!!!
それで、明日彼女は予定通り蓮華温泉に下るが、ご主人は唐松岳まで縦走して八方に下ることにしたそうだ。それを奥さんが迎えに行くそうだ。さすが!!!!
「あっ、彼も戻って来たわ。」
「そろそろ夕飯の支度をしなくちゃ・・・」
などと言いながらも話は絶えない。すっかり親しくなった。
8月6日
白馬岳山頂でゆっくり眺望を楽しむ。
さあ、キャンプ場に戻って大雪渓を下ろう。そう思った時だ。
Nさんの奥さんの後姿が目に入った。
「Nさあ〜〜ん!]
彼女が振り向く。
「良かった、会えないと思った!」
「また一緒に山に行きましょうね。」約束して別れる。
大雪渓を下る。例年よりかなり小さいそうだ。
土曜とあって大勢の登山者が登ってくる。すれ違うのが大変だ。
バスの時刻を気にしながら下る。
9時53分に猿倉に着く。バスは10時10分発だ。
ビールを飲みながらバスを待つ。
素晴らしいお天気、咲き誇るお花たち、見事な眺望を満喫した山旅だった。
そして、それに花を添えてくれたのが新しい友人との出会いだった。
ありがとう。山に感謝。
花の写真はアルバムで。
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000100264793&owner_id=19500344
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