午前中、昨日が “ 広島原爆の日 ” ということで、DVDで関川秀雄監督の｢ひろしま｣を観ました。
昼から麻布十番へ。
午後２時、麻布図書館の映画上映会で千葉茂樹監督のドキュメンタリー映画｢マザー･テレサとその世界｣を観て、京橋ﾌｨﾙﾑｾﾝﾀｰへ。
午後４時、加藤泰監督の｢明治侠客伝 三代目襲名｣を観てまいりました。
☆「ひろしま」(1953)監督 関川秀雄 出演 岡田英次､加藤嘉､月丘夢路､山田五十鈴､原保美､月田昌也､岸旗江､利根はる恵､神田隆､薄田研二､三島雅夫
戦後、何年か経った広島。ある高校で、教師北川が受け持つ三年生のクラスで、生徒の大庭みち子が鼻血を出して倒れた。それは、原爆による白血病が原因だった。このクラスでは、実に三分の一の生徒が被爆者だったのだ。
あの日、みち子の姉は疎開作業中に被爆し、川の中で絶命した。遠藤幸夫の父親は、建物の下敷きになり炎に包まれた妻を助けることができなかった。
原爆投下から七十五年は草木が生えないといわれた広島に、大根の芽が出たとき、人々はその芽に希望を見いだしていた。
長田新の「原爆の子」を八木保太郎が脚色し、関川秀雄が監督した反戦映画です。
まだ戦争が終わって数年しか経っていないというのに、というか、数年しか経っていないからこその企画だったのでしょう。
…もう、” 再現 �� なんてナマやさしいものじゃありませんッ！！！
数多の ” 原爆映画 �� がありますが、こんなにもリアルな、悲惨な、生々しい被爆直後のヒロシマはなかったんじゃないか？
映画自体が古く、フィルムに流れる傷がまるで実際の記録映画を見ているような錯覚を起こし、スゴいリアリティである！
伊福部昭の音楽は、翌年(1954年)の「ゴジラ」の劇中曲「帝都の惨状」などに転用されているそうです。
1953年… 日本が朝鮮戦争による好景気に浮かれ始めた頃、警察予備隊(後の自衛隊)が編成され、再軍備が始まり、危機感を持った映画人たちの、精一杯の叫びだったのだろうと思います。
あれから70年以上が経った今現在も、この映画が製作された頃とほとんど変わらない状況なのではないでしょうか。
『それ、パチンコの玉ね』
『…ああ』
『ね、幸夫さん。
そんなパチンコの玉が、
また鉄砲の弾丸(たま)になるんじゃないのかしら』
☆「マザー･テレサとその世界」(1979)監督 千葉茂樹 (Na) 来宮良子
『世界最悪の居住地帯といわれる、インド、カルカッタのスラム街。極貧、飢え、病苦にうめき見捨てられる人々。路上生活者は四十万人、ハンセン病患者は三十六万人ともいわれる。
この中で、貧しい人々の群れに身を投じ、食物を与え、病人を看護し、孤児を育てるという愛と献身の活動。そして死んでゆく人々の最後を看とる修道会「愛の宣教師たち」を創設したマザー･テレサとシスター、ブラザーたちをドキュメントしたもの。
マザー･テレサは、一九一０年ユーゴスラビアで生まれたアルバニア人で、十八歳で修道院に入り、カルカッタに派遣された。マザー･テレサの生き方に従う「愛の宣教師」修道会のシスター、ブラザーは二千人を数え、世界各地で奉仕に取り組んでいる。なお、マザー･テレサは永年に渡る献身的活動で、本年度のノーベル平和賞を受賞している。脚本･監督は千葉茂樹、撮影は河内豊英、伊藤義宏がそれぞれ担当している』
( 映画.com より )
55分の中編ドキュメンタリー映画。
…マザー･テレサ、実際、どんな人だったのか。
知ってたようで、何をした人だったのか、よく知らなかった自分がハズカシイです。
☆「明治侠客伝 三代目襲名」(1965)監督 加藤泰 出演 鶴田浩二､藤純子､安部徹､大木実､津川雅彦､藤山寛美､毛利菊枝､品川隆二､山城新伍､水上竜子､汐路章､丹波哲郎､嵐寛寿郎
『木屋辰一家の浅次郎は、競合する星野やその飼い犬の唐沢から執拗な嫌がらせを受けるも、辛抱に辛抱を重ねる…。加藤初めての任侠映画だが、多くの登場人物に見せ場を作りながらもラストの破局へと巧みに収斂していく脚本や、撮影･照明･美術などの洗練されたスタッフワークを得て、任侠映画独特の様式美を極めた１本となった』
２度目の鑑賞です。…加藤泰、初の任侠映画だったんですね！ …知らんかった。
非常にバランスの取れた、一幅の絵を見るような映画でした。
…藤山寛美が、いい役で出てんだ♪
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