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2016年08月02日22:51

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杉本章子を叱る

先日 氷川図書館で借りて来た、杉本章子著「爆弾可楽」文春文庫 読了
この作者は時代考証がしっかりしていて好きな作家のひとりです。
文庫本には、表題以外に「ふらふら遊三」と云う小説も収納。
で、此処で「中入り」の位置に出る落語家を「中真打」と表記して振り仮名で「なかとり」と有りました。
明治時代が舞台ですが、この言葉は「新造語」です。
この1990年に発表された作品ですから・・・この辺が火元かも知れません。
「中入り前に出演した中真打が下りて中入りになる」と有りました。
これは完璧な間違いです。
最近言われてますが、五代目・柳家小さん師匠も随分怒ってました。
「訳の解らない事を言い出して、そこが中入り なんだよ!」と言ってました。
目くじら立てて言う事では無いかも知れませんが、そんな言葉は昭和まで有りません。
明治20年頃の落語界の描写ですから、この言葉は有りません。
直木賞作家の影響力でしょうか?
楽屋でもこの頃 耳にします。
素人さんで通ぶって使っている方は構いません、玄人はいけません!
最近 江戸弁は勿論ですが明治語の使い方も随分間違って居ます。

もう一つ「最後」は明治語です。
江戸を舞台にしたもので、「話は最後まで・・・云々」と云う使い方は有りません。
「話は終いまで」です。故・小山観翁師に指摘された苦い経験が有ります。
後輩には気がついた段階で注意し直してます。

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