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2016年07月27日23:32

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「森山中教習所」 「ハリウッドがひれ伏した銀行マン」

「森山中教習所」、

真造圭伍の原作コミックを豊島圭介が映画化。
ノーテンキな大学生 清高とネクラなヤクザ轟木が
同じ私設自動車教習所に通うひと夏をユルく描く青春ドラマ。
面白くないわけではないけれどもテンポ悪いなー…と思いながら観て
結局最後まで愉快でも爽快でもなく ジーンと感動するとかほっこりするとか
どこを見せたかったのかよく判らない映画なのだった。
試し読みのパンフレットでは
のっぺりとした記号的キャラと乾いた台詞が面白くて
マンガとして評価できるのだけれども、
人間が現実の田舎のという背景の中で演ると 纏うリアルが邪魔をして
マンガの乾いた感じがなくなって 重たくなってしまう。
それなのに
マンガ的過剰なキャラは(ヒロインの両親とか 外国人教習生とか)そのままなので、
性格も境遇も非対称の二人が何となく心通わせる青春譚を
きちんと語ることができないままエピソードだけが消化されて行く…
そんな印象の仕上がりになってしまっている。
清高が3年後にまがりなりにもライターになってる…ってラストは
絶対に受け入れがたい!(笑)
あんなバカで他者の痛みへの感応力が低くて魅力的な文章が書けるとは思えん!
原作ではその辺を補完するエピソードがあったりするのかね?





「ハリウッドがひれ伏した銀行マン」、

1970年代半ばから90年代にかけて
「プリセールス」という手法を開発しアメリカ映画界の製作分野に
大変革をもたらしたオランダ人銀行マンフランズ・アフマンを描くドキュメンタリー。
監督は娘であるローゼマイン・アフマン。
映画のスタッフの中で思惟太が最も気にかけない“製作”
そのプロデューサーにお金を融資する銀行マンのお話は
非常にひじょ〜に面白かった!
「コンドル」「キングコング」(’76)「ターミネーター」「ランボー/怒りの脱出」
「薔薇の名前」「プラトーン」「眺めのいい部屋」「ダンス・ウィズ・ウルブズ」…
これら名だたる作品すべてにアフマンは融資していたというのだから。
映画完成前に配給権を売って それを製作資金に充てる―というのを
ディノ・デ・ラウレンティスと共に始めたのがアフマンなのだそうな。
そのシステムを深く掘り下げる内容ではなくて、映画は、
アムステルダムの一介の銀行マンだったアフマンが
銀行マンとしての仕事以上に いかに映画を愛していたか…を語るもので、
品性正しく凛としたビジネスマン アフマンが
映画を作ることに関わる喜びを
そしてそのことが招く深い挫折を経験するのを眺めながら、観客は
80年代映画の裏側の事情に「へぇ〜…!」と驚くのだ。
オリバー・ストーンやケヴィン・コスナーが多大の謝辞を述べるけれど
一観客である我々も
アフマンがいなければあの名作が成らなかったと思うと感謝 〃 である。
一番感動的なのは
同郷のポール・ヴァーホーヴェンの語りだけど…ね。
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