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2016年07月24日23:32

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「シング・ストリート 未来へのうた」 「FAKE」 「セトウツミ」(2回目)

11日は 「シング・ストリート 未来へのうた」
     「FAKE」、

14日は 「セトウツミ」(2回目)
     「森山中教習所」、

16日は 「ハリウッドがひれ伏した銀行マン」
     「THE FORGER 天才贋作画家 最後のミッション」、

17日は 「つむぐもの」
     「海辺のポーリーヌ」、

18日は 「緑の光線」
     「裸足の季節」、

19日は 「ふたりの桃源郷」、

21日は 「レネットとミラベル 四つの冒険」、

23日は 「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」を観に行きました。





「シング・ストリート 未来へのうた」、

『Once ダブリンの街角で』『はじまりのうた』と
“音楽を創る”若者たちを描いて切なく美しい映画にして来た
ジョン・カーニー監督最新作。
80年代ブリティッシュロック満載の青春ストーリー。
85年 大不況のダブリン、父の失業により両親の関係は悪化
学費不足の兄は大学を辞めるも職はなく 主人公コナーは学費の安い高校に編入、
向かいの寮に住むラフィナに一目惚れした彼は
抑圧的な校風の中バンドを始めるが…というお話。
んー…これコナーの物語として読むと あまりにファンタジーに過ぎ
おいおい 爽やかラブストーリーもやり過ぎるとイヤミじゃない…
と思ってしまうのだけれど(実際そのせいで期待を裏切られてがっかりした)、
これ、兄ブレンダンの屈折をこそ読む映画じゃなかろうか?…と思い直す。
コナーはブレンダンの指南により音楽センスを磨く。
兄の薦めるレコードを聴き 兄の観る音楽番組でロンドン発のPVを知る。
作った曲は兄に批評を請う。兄のロック論を謹聴する。
その辺がいかにもありそうで楽しいのだが、
仕事もせず離婚寸前の最悪環境の中家でグータラしてるブレンダンをよそに
コナーはバンドに恋に素人PV作りに…と充実した青春を送り
ついにはアイルランド脱出までやりおおせてしまう。
そう、兄ブレンダンがギターをやめ ダブリンの市井に埋もれる自分を
忸怩たる思いで引き受ける…それこそ
多くの成功しなかった 夢を諦めた ロック少年―
音楽の薀蓄を披露するしかない歳くってくたびれた青年―なんじゃないだろうか。
“本当によい音楽が生まれる時”を
愛おしげに摑まえ続けて来たジョン・カーニーであるならば、
ブレンダンとコナーの兄弟対照は
夢見る力を謳うコナーのファンタジーではなく
夢見ることをやめ ゆるゆると現実を生きねばならないブレンダンをこそ
愛でているのではなかろうか…と思った次第。
ジョン・カーニーは
『Once ダブリンの街角で』がとにかく とんでもなくよかったので
これを越える音楽映画は難しいかなぁ…。





「FAKE」、

森達也15年ぶりの新作。
ゴーストライター騒動で蟄居する佐村河内守 夫妻の生活が摑まえられている。
何が胡散くさいって
佐村河内夫妻のマンションに乗り込んで撮影している森達也が
一番胡散くさい。
佐村河内が「ぼくのこと、本当に信じてくれますか?」と尋ね
「信じなきゃ撮れません。」と森が答える時
まるで真実味を感じない(笑)。
そんな真実味など無効にしてしまう映画なのだから
胡散くさくて結構―というのが森のスタンスだろう。
佐村河内へのインタビューによりゴーストライター騒動の真相を探るでもなく
映画は、夫妻のマンションに
出演依頼を申し込むTV関係者や
真偽について取材する外国人ジャーナリストたちや
佐村河内の両親が訪れるのを恬淡と映すと同時に
彼の疲れ切った抗弁と
暴露した側の新垣隆の人気者ぶりを対照して
メディアが造形する“時の人”の恥かしさを浮上させるのだが、
佐村河内家の“お茶とケーキの歓待”が哀しい装置のように
人と人との打ち解けなさを刻むのを
居心地悪く眺めつづける映画なのである。
ラブストーリーが感動で完結するかのようなラストを
はぐらかすような最後の一瞬、観客は
“誰に”騙されているのか混乱してしまうだろう。
命がけで信じるよりも
心地よい嘘に騙されている方が楽だよな…
などと思ってしまう佳作。





「セトウツミ」、

あんまり楽しかったので2回目を観に行ったら
今度は隣りが女子高生3人組だった(前回は男子高校生5人組)。
男子はトイレだコーラだポップコーンだと
予告編が始まってもワイワイ落ちつかなかったけど、
女子は準備万端って感じで席に着くと
通学バッグからそれぞれ飲み物と食糧を出して予告の間に食べてしまう。
つるんで映画観るのが楽しい―っていうより
池松くんと菅田くんの映画を観るぞ!―って感じでしたね。
やっぱり女子の方が大人じゃない?
映画は、続編ができるか『まほろ駅前番外地』みたいに
TVでドラマ化されるんじゃないかと思う。
だってね、この高校生コンビもっともっと観ていたい…
と誰もが思うと思うのよ。ホント(笑)。


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