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2016年07月17日23:54

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「ブルックリン」 「キム・ギドク 激情の美のシネアスト」

「ブルックリン」、

『わたしに遭うまでの1600キロ』『17歳の肖像』のニック・ホーンビィ脚本
『 BOY A 』のジョン・クローリー監督…というので期待したのだが
50年代ニューヨークにおける移民少女成長譚は
真面目で賢くて身持ちの堅いアイルランド女性の移民体験記として
とてもとても面白いのだけれども、
故郷アイルランドと新天地ブルックリンとに乖離する苦悩の理由が
どちらも“男”であるところが笑っちゃうくらいサービス満点で
貧乏なハーレクインみたいになってしまい
ん〜…なんだかなぁ…なのだった(笑)。
教会が身元引き受けや住まいや仕事の斡旋を引き受けていたことや
アイルランド人女性経営の独身女子専用の寮(?)とか
デパートの売り子の仕事ぶりとか(あの伝送菅 現金のやり取りをしてるのかな?)
大学の夜学で簿記の資格を取ったりとか
休日の炊き出しボランティアとか
週末のアイルランド人コミュニティのダンスパーティーとか…
移民女性が遭遇するアメリカ生活を実に丁寧に描いているので
とても興味深いし、
当時の恋愛って男性にしても女性にしても
本気で結婚前提の真摯なものだったんだよねぇ…と感慨にふけったり
「ウェストサイド・ストーリー」や「理由なき反抗」と同時期のお話だと思うと
随分真面目で大人しくて清々しい青春だなぁ…と感じたり
色々面白かったのに、
ニューヨークの恋人に身体を許した後(もちろん初体験)帰郷して
アイルランドの男に心惹かれるなんて
全くもってしょーもない展開にホントにがっかりしたのだった。





「キム・ギドク 激情の美のシネアスト」、

キム・ギドクへのロングインタビューから成るドキュメンタリー。
07年(仏・韓)アントワーヌ・コッポラ監督作品。
第30回福岡アジア映画祭 30周年記念アンコール上映の1本
(この映画祭は「アジアフォーカス福岡国際映画祭」とは別)。
ちなみにアントワーヌ・コッポラはフランシス・フォード・コッポラの甥だそうな。
彼は映画学者で、京畿道 坡州市にあるヘイリ芸術村の
キム・ギドクのエコハウスでインタビューを行なっていて、その記録である。
07年の映画ということで、ここには『絶対の愛』までの映像が登場する。
『悲夢』(’08)の事故により隠棲する前のここでのキム・ギドクは
かなり上機嫌で雄弁で
ヨーロッパでの評価に非常に満足している様子が窺え、
逆に韓国人の映画読解力の低さに心底辟易している感じなのが
大変面白い。
蹉跌を経験する前のイケイケの頃だったのかな…とか思ってみたり。
学歴社会の韓国では無学の自分は生き残れないから
画家になろうとフランスに渡った―
影響されるのが嫌だから本は読まない―等々
興味深い発言は貴重だけれども、
字幕翻訳が足りてない…と思うんだよね。
あんなに沢山喋ってるのに 字幕はたったこれだけ?!と思ってしまう。
映画祭用の急ごしらえの字幕のままなのかな?
ドキュメンタリーとして優れているわけじゃないけど
前期キム・ギドクの発言として貴重だと思うので
ちゃんと訳して、できれば日本語吹き替えにしてもらえると
彼の言わんとするところがよく伝わるような気がするけど…ね。
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