「パナマ文書」なるものがバラされて、「タックスヘイブン」にカネを貯め込み税金を逃れるってことが世界中で蔓延しているのに、日本ではあまり該当者が見つからなかったみたいで「空振り」のような感じでしたが、それには理由があります。
多くのサラリーマンは気が付かないかもしれませんが、日本では「租税回避システム」が公認されていて、多くの政治家や企業のオーナーなど「金持ち」はみんな多かれ少なかれそこにため込むことができる。しかし多くの外国では、それが認められないから、タックスヘイブンを使うというカラクリなのです。その「租税回避システム」のひとつが昨日出光興産と昭和シェル石油の合併反対で出てきた「出光興産の株主構成」になかの「日章興産」「出光文化福祉財団」「出光美術館」など関連団体を作ってそこに寄付をして、相続税を逃れるやり方です。これは多くのお金持ちが当たり前のようにやっていて珍しくもなんともないのですが、出光興産の場合この三者で出光興産の約３割の株を持っています。と言う事はそれだけ多額の相続税は免れたという事です。同じような形で相続税を免れるのが、多くの中小企業で行われている、個人財産を自分の会社の資産に置き換えて、課税を免れるやり方で、僕の家の近くでも多くの豪邸が「表札」は個人でも、所有権の登記は会社になって居るところが沢山あります。固定資産税も会社負担ですね。
日本一の自動車メーカー「Ｔ自動車」は年間５,０００万円政治献金しているほか、日本自動車工業会として６,０００万円〜８千万円政治献金していますが、その見返りに２００９年から�ヽこ飴匆饉劼�らの配当に対する非課税��研究開発費への減税を勝ち取り、２００９年から５年間「法人税」を払わなかったのだそうです。「Ｔ自動車」は赤字決算をしたのは２０１０年、２０１１年だけですが、「赤字繰越制度」と言うのがあって、ある年度の赤字は３年間繰り越して税金を免れるという特権があって、２００９年から２０１３年まで税金を払わなかった。でも実際は「海外子会社からの配当金」を貰っていたので、実際の決算は莫大な利益を上げていたという「税務上の決算」と「実際の決算」の２本立てになって居た。そのために過去１５年間でベースアップしたのは７年間だけで、２００４年には過去最高の利益を上げながら、ベースアップはしなかった。２０１５年には円安による好業績のために過去最高額の４,０００円（賃金の１％）をベースアップしたが、消費税のアップ分に比べたら低すぎる。
同じ期間の配当は１,000億円〜６,０００億円で、ベースアップしなかった年でも３,０００億円は配当した。７万人の従業員に４,０００円のベースアップでも３２億円しかかからない。１万円上げても８０億円なのに、配当が高すぎないか？「Ｔ自動車」は日本一の会社だ。「Ｔ自動車」がベースアップしなければ、ほかもしなくても良いと思われる。業績が悪い会社が賃金を引き下げても仕方ないと不満は抑え込まれる。「Ｔ自動車」の利益剰余金は１５兆６千億円。これを眠らせて設備投資に使わないから日本が不況になる。「Ｔ自動車」の現金預金、金融債権は１７兆９千億円。「新自由主義」の権化に見える。安倍総理は「毎年賃上げをした」「求人倍率が日本全国どの都道府県でも１倍を超えた」と手柄話をするが、その一方で大企業が「儲かっても税金を払わない」「儲かっても賃上げをしない」「儲からなくても配当は減らさない」。その挙句２００３年からは「退職給与引当金」のまで課税することにして、正社員を減らし非正規社員を増やす政策に切り替えた。
「研究開発費への減税？」｛研究開発費」なんて大企業しか対象にならない。無茶苦茶に金を貯め込んでいる会社の飯の種である研究開発費を減税して、庶民の暮らしのベースアップは消費税アップに追いつかない。それでも庶民はアベノミクスかウソノミクスか知らないが、だまされて参議院選挙では「自民党」と書く。本気で日本の不景気を何とかする気はない。儲けすぎの会社に減税して、賃上げを抑えさせて、金を貯め込ませて、使わせず、不況を長引かせて、庶民に「アベノミクス＝ニンジン」をぶら下げて、選挙で勝つ。これが２０１６年の日本の実態です。
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