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2016年06月25日11:01

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二重振り子とカオス

 何か数値解析でカオスをやってみたくなって、いろいろ物色していた時、youtubeで二重振り子の動画を見たところ、これが実に奇妙な動きをして驚いた。

 この動画の趣旨は、2つの二重振り子をほぼ同じように上に持ち上げて、そこから手を離して、後は自由運動させるもので、ほんの少しの初期状態の差が後々の運動に大きな違いを生じさせることを示すものであった。

 両者は同じような初期姿勢で落下運動を始めたが、次第にその違いが顕著になっていくので、これはまさにカオスだろう。しかし、私が驚いたのは、振り子の動きである。

 なんと、先のほうの振り子がクルクルと回転する場面が出てくるのだ。これを見る前、振り子のイメージは、左右に揺れるだけのものであったので、これには大いに驚いた。しかも、その回転運動は気まぐれで、いつも生じるわけではなく、突然に現れるのである。

 そこで、数値解析でやってみた。構造はいたって簡単なもので、2つのトラス要素と3つの節点、その内の2つに質量を定義。一番上の節点は回転自在だが位置は固定。

 解法はルンゲ・クッタ法とし、振り子の長さは1m、0.5m。60度ほど持ち上げて、下方向に1m/sほどの初速度を与えて、離すと、実際と同じく、回転運動が生じる。
 
 この数値解析では、振り子が回転運動により生じる伸び量を計算することがキーな技術となる。これは遠心力を求めることと同じことで、この技術が無いと回転運動は表現出来ない。

 以前、もう20年ほどになるが、このことが出来なくて、随分と悩んだことがあった。しかし、諦めずに取り組んだお陰で、今はこうした数値解析が出来るようになったことに感謝だ。

 そういうことで、二重振り子はカオスだろうと思うが、その非線形性は、振り子の長さなんだろうと思う。先のほうの振り子が動くことは、全体としての振り子の長さが変化するので、そこが非線形なんだろう。

 ということで、少し、楽しめた。次に、もう一つほど、何かやってみるか。


 

 

 
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