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2016年06月02日19:49

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大普賢岳 / あのギザギザのてっぺんへ!

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以前に行者還岳に登った際に、ひときわ目を引く山があった。まるで前穂高を彷彿とさせるそのギザギザに一瞬で心を惹かれてしまった。それが大普賢岳である。いつかは登りたいと思っていた。
7〜8時間のロングコースであり、道迷いも多くハシゴやクサリの連続する難コースであることから長らく行く機会をうかがっていたが、大キレットに向けて岩場などがあり長時間歩くところに行こうとなり大普賢岳行きが決定したわけである。

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右端の和佐又ヒュッテを起点にした反時計周りのコース。
七曜岳からの激下りは道も荒れていてタフなコースだ。

朝4時すぎに堺を出発、2時間ちょいで上北山村に到着。R169から急勾配の山道をグニャグニャ上がっていくと和佐又ヒュッテが現れる。

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ここに車を置かせてもらい、トイレなどをすませて装備を整え登山届を提出して出発する。

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少し歩くと和佐又のコルに到着。向こうに見える大峯奥駈道はいまだ雲の中である。
そこから日本岳に向かってなだらかな尾根を登って行く。

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新緑の中をすすんでいく。

トラバース道に突き当たって左に曲がると次々と巨大な岩が出現する。指弾ノ窟や朝日窟などと名がつけられており、中でも大きいのが笙ノ窟。

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窟の中には不動明王だか何かだかを祀った祠があり、とんでもなく巨大な岩からは雨でも降ってきたかと思うような水がポタポタポタポタ落ちてくる。

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この辺からちょっとしたクサリ場や鉄梯子が現れはじめる。ちょっとした急登を登り切ると稜線に出て日本岳のコル。やっぱり尾根は気持ちいいねえ。石ノ鼻の上に乗ると今から向かう大普賢岳や奥駈道が見晴らせる。いい天気になってよかった。
小普賢をスルーしてハシゴ地獄をこれでもかと登り、奥駈道と合流するともう大普賢岳はすぐだ。

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9:20、大普賢岳(1780m)登頂。左に見えるのは稲村ヶ岳。すぐ横に大日山がちょこんとくっついているのでわかりやすい。

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いやあ素晴らしい眺め。行者還岳から奥駈道をたどっていくと遠く弥山や八経ヶ岳も望める。

ここから一旦下って七曜岳を目指す。奥駈道は一面ササに覆われたなだらかな道。右手には稲村ヶ岳を望みながら気持ちよく歩くことができる。水太覗からの展望を楽しんだり、弥勒岳からの意外とスリリングな急坂を下ったりしながら進む。

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くっそ狭い崖っぷちのクサリ場を越えると高度感のある馬の背状の岩の上に上がる。ここから薩摩転げだかさつま揚げコロッケだか言う難所が始まる。
クサリ場が連続するが、意外とクサリを使わずとも通過できる岩場がほとんどで、技術的にはそれほど難しくない。ただ1、2ヶ所ほど寺尾聰の歌かというほどツルツルの滑る岩があり、そこのクサリは大変ありがたかった。

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難所は突然終わり苔むした幽玄な雰囲気の稚児泊に入る。
さらに進むと七ツ池に出る。当初は湿地帯に大小の池が点在し水草が浮いて蝶が飛んでるような風景を想像していたのだが、実際の七ツ池は池ですらなく巨大なすり鉢状の窪みの底にくっそ深そうな真っ暗い穴がポカンと口を開けている恐ろしい場所であった。どちらかといえば「鬼の釜」というネーミングの方が秀逸である。

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11:30、七曜岳に到着。でっかい岩の頂上で、木の生えた平たい頂上の大普賢岳よりもこちらの方がやや展望が良い気がする。正面には行者還岳が存在感を増し、右手にはバリゴヤの頭がよく見える。
七曜岳からちょっと下った分岐点で昼メシを食い、下山にとりかかる。

下山が大変だった。七曜岳からの下り道は荒れているとは聞いていたが予想以上。まずもってルートがどこかわかりづらい。斜面はダダッ広く似たような景色が広がっており踏み跡も目印のテープもわかりづらい。その上地面がグザグザにやわらかい粘土状の急坂で、油断をすると足を取られて転倒する。しかもひるねが薩摩転げあたりで足を傷めてしまったらしく、ただでさえ下りが苦手なひるねがそんな足で迷いやすい荒れた急坂を下るのだから条件は倍率ドンさらに倍である。本当は入之波温泉に行くために15時すぎには下山したかったが、この状態で焦って転落したり道迷いしても温泉どころではないので15時下山はあきらめて安全第一に切り替えてゆっくり下りることにする。
ヘロヘロになりつつも急坂を下り切り、コースタイムを大幅にオーバーしてやっとのことで無双洞へ到着。やれやれだぜ。
無双洞からはゆるやかな登りになり、足元の状態も幾分歩きやすくなったので若干ペースを上げていく。一ヶ所だけ道が崩落している場所があったがまあどうにか進んでいく。そして最後のクサリ場へ。
クサリ場注意の看板をすぎると結構な岩登りとなる。しかし事前に調べていた情報に比べるとそれほど難しくもない。拍子抜けしてこんなもんかと思いつつ進むと目の前の岩には真上を指す矢印が。そう、噂に名高い垂直クサリ場です。うへえ。
けっこう高度感もあってなかなかの難所。しかし岩はホールドもスタンスも豊富にあり、クサリもステップもしっかりしているので三点支持さえ守って慎重に通過すればさほど難しくはない。それでも写真を撮る余裕などはなかったが。しかも登り切ったところにあったはずの底無し井戸もスルーしてしまったが。

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肝心のクサリ場の写真を撮り忘れてしまい申し訳程度にクサリ場の看板を。

16:20に登山口の和佐又ヒュッテまで戻ってくる。
入之波温泉はとうに間に合わず、他に近隣のめぼしい温泉も定休日などで行けなかったため、ちょっと遠回りにはなるがかもきみの湯まで入りに行く。
帰宅して近所の寿司屋に飲みに行ったらガス機器が壊れて工事のため臨時休業だとか。どないやねん。
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