思うがままにラノベの感想を述べる��
「俺を好きなのはお前だけかよ２」
著・駱駝
電撃文庫
個人的面白さ・６
１巻が面白かったので、２巻も買ってみた。
総合的に見れば、面白い部類だと思う。
ただ、やはり１巻が前提にあるので、１巻よりはイマイチだなぁというのが正直なところ。
１巻の、面白かったところはどこかと言われると、ネタバレになってしまうが、この際だから適当にぶっちゃけて言っちゃいます。
ネタバレ注意。
１巻の面白いところは、読みながら、次々に読者が裏切られていくところだと思う。
まず、ヒロインから言い寄られる系ラブコメかと思ったらそうじゃなかった。
主人公は素直だけど恋を夢見る少年かと思ったら、いきなり豹変して素直になる。普通ならキャラがブレるとかそういう話になりそうだけど、この小説は一人称でコメディ色が強いから、びっくりしつつも面白がって読んでしまう。
そして終盤、主人公のワルい性格がバレて谷底へ落とされたと思ったら、実は黒幕がいて逆転劇。
そして最後には、主人公の「いいやつ」という本当の本性が明かされる。クズじゃなかった。
という、逆転の連続で楽しませてくれる作品だった。
しかし２巻では、逆転は終盤の１回のみ。いわゆる、推理モノの「解決編」みたいなのが１回出てくるのみである。
しかも唯一の新キャラがそのまま黒幕という想像通りの話で、ヒロインが最後に登場するのも想定どおり。
面白い、と思ったのはあくまでコメディ部分で、ストーリーではなかったというのが今回の感想。
展開もふつーのラブコメラノベで、唸るところはない。
まあ「主人公の本性が実は・・・」ってのは１回こっきりの大ネタだし、もともとラブコメ路線だったといわれればその通り。
しかし、１巻であれだけひっくり返してきた作者が、２巻でも大きな仕掛けを見せてくれるんじゃないかと期待するのは読者として当然だろう。
それが肩透かしだった分、盛り上がりきれない内容だったように思う。
しかし、コメディはさすがのうまさだった。
特にメタ的ギャグが面白い。よくこんなの思いつくなという発想である。
ぼく自身はメタネタを書くのが嫌いで、例えば有名アニメのセリフをパロディで使うとか、たぶん自分の小説では出せない。拒否感が強くて。
そういう意味で、ぼくにない才能というか、輝きのある作品であることは間違いない。羨ましい。
３巻が出たら、たぶん買ってしまいそうなくらいには面白い。
（面白いのベクトルが違うが）
そういうシリーズになりそうな作品だ。
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