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2016年04月24日21:21

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「黒猫・白猫」 「バンクシー・ダズ・ニューヨーク」 「獣は月夜に夢を見る」

18日は 「黒猫・白猫」、

19日は 「バンクシー・ダズ・ニューヨーク」、

21日は 「獣は月夜に夢を見る」
      「グランドフィナーレ」、

22日は 「スポットライト」

23日は 「アリゾナ・ドリーム」
      「父を探して」 を観に行きました。

溜まる一方なんで 短く行きます。





「黒猫・白猫」、

クストリッツァ特集上映「ウンザ!ウンザ!クストリッツァ!」の1本。
「アンダーグラウンド」に続く98年の作品。
98年は劇場に通い始めた最初の頃で
これは劇場にかかってるのは知っていたけれど観損なっていた次第。
「アンダーグラウンド」がプロパガンダ映画であるとの批判にうんざりした
クストリッツァが引退宣言をしていた…というのは知らなかった。
その引退宣言を返上した本作はだから
ただただドタバタと愉快で大騒ぎしてユーモラスなんだ!
ちゃんと通して見たのは初めてだけれど
これ…登場人物がムスリム系というかロマ系というか
顔が長くて鼻が大きい造作が皆そっくりで見分けがつかん!
若いか年取ってるか もっと年取ってるかで見分けてた(笑)。
「アンダーグラウンド」を初めてTVで観た時には気付かなかったけれど
クストリッツァの動物演出は巧みで
そこここに映り込んだ動物が何気に名優だよねぇ!
クストリッツァって
なんだかんだあって若い男が嫁を貰う話ばかりだな。
いや、面白いから全然かまわないんだけどね。





「バンクシー・ダズ・ニューヨーク」、

14年アメリカ。クリス・モーカーベル監督作品。
正体不明のストリートアーティスト バンクシーが
2013年10月1日から1日1作 ニューヨーク各地の路上に作品を残し
場所を明かさず自らのサイトに作品の映像とコメントを投稿。
ニューヨークの住人は作品を発見しようと街中を奔走、
1ヶ月間 街は大騒ぎとなる。
その狂騒を収めたドキュメンタリー。
理屈抜きで面白いっ!
バンクシーの作品自体が面白いし
ニューヨーカーの熱狂ぶりが可笑しいし
彼らの熱狂も含めて“作品”だと解説する評論家に頷くし
作品をオレのシマだから見るなら金を払えと言い出す輩や
作品の壁を切り出して売ろうとする輩に呆れるし
バンクシーが攪乱する“アートの概念”にワクワクしてしまうし
見つけた人が一斉にスマホのカメラで写真を撮る姿に寒くなったりもする
実にじつに面白いドキュメンタリーなのだ。





「獣は月夜に夢を見る」 ’14 (デンマーク・仏)


監督・脚本・原案:ヨナス・アレクサンダー・アーンビー
m:ラース・ミケルセン,ヤーコブ・オフテブロ
f :ソニア・ズー,ソニア・リクター

’14 アテネ国際映画祭 最優秀監督賞
’14 キャメリメージ映画祭 最優秀撮影賞
’14 デンマークアカデミー賞(ロベルト賞) 最優秀美術賞,最優秀特殊メイク賞


冒頭のカメラのレンズの汚れさえ画作りに取り込んだ映像から
どの構図も尋常でない不穏な空気を湛え
寒々しい北欧の海と 海浜にへばりついたような村と
魚の加工工場と ヒロインの住む小さな家を
何かよくないことが起こる予兆が息づく 美しい画にしているのだ。
医師の診察,全介助必要な障害者らしい母親,献身的に世話をする父親,
母親のカルテ,うなじを覆う毛…
少しづつ 〃 何が起こっているのか?をヒロイン マリーと共に体感しながら
これが「狼女」のお話であることにワクワクする。
それは『ぼくのエリ 200歳の少女』と同様の哀しく切ない胸の高鳴りで
村人の恐怖と疑念が 狼女であるマリーとマリーの恋を畏れ
暴力に雪崩れ、それが大殺戮を招くのを
異質なものに対するいわれなき恐怖が暴走する 人間の浅ましい属性のように
哀しく恥ずかしく感じていなければならないのだ。
『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』等
ラース・フォン・トリアー作品の美術アシスタントだったという
ヨナス・アレクサンダー・アーンビーの長編初監督作品は、
衝撃的な美しい映像で異形のものの哀しみを描いて
ベストランキング当確の佳作である。
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