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2016年04月24日21:06

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スポットライト・ボーダーライン・のぞきめ・ドクムシ観てきたよ

観たのは先週です。遅くてすまん。

■スポットライト
実話を元にした、というところが胸にせまる出色の出来でした。舞台は9.11の少し前、地方紙であるボストン・グローブという新聞社。社会問題を取り扱う『スポットライト』という連載コラムのチームが、次の題材にカトリック神父による子供への性的虐待を取り扱う事に決め、さまざまな妨害に阻まれながらも記事の掲載に辿り着くまでを描きます。カトリックの聖職者の6%が児童への性的虐待を行っていた、というのは酷い話です。特段記者を英雄的に描くことをせず、たんたんとした抑制の効いた描写が最後まで続くのが良かったです。妨害というのも、取材を拒否されたり裁判記録や証拠の閲覧で嫌がらせされたりといったレベルで、記者や家族の身を脅かすようなイベントはありませんでした。(少なくとも映画の中ではね) 最初から最後までずーっと集中して鑑賞してました。いい映画なので、劇場に足を運ぶ価値があると思います。

■ボーダーライン
主人公のFBI女性捜査官が主人公だと思って観ていたのですが、そうではないということが終盤で分かりました。なんだこりゃ詐欺じゃねえの? 舞台はアメリカ、メキシコとの国境地帯主人公(ではなかったと思うが)は麻薬捜査専門のFBI捜査員。なんと5年前にFBIに入ってからずっと現場(犯罪現場への強行突入)専門で、その経歴によってCIA職員をリーダーとする、組織横断の麻薬捜査プロジェクトへ参画することになります。手始めにメキシコへ入国し麻薬組織の容疑者引き渡しへ同行するのですが、CIAの顧問を名乗る怪しい男が同行することになり……という感じで、最終的にはその怪しい男が主役を張ることになります。なにせ原題はSicario、スペイン語で殺し屋の意味だそうです。明らかに女性捜査官のことじゃない。メキシコ国境の麻薬紛争や潜入捜査や売買収が当たり前の犯罪捜査の最前線での善悪の狭間と行った意味から邦題が付けられたと思うのですが、女性捜査官が主役で無いと言うのは原題から明かなので、これは悪質なミスリードだと思うのですよ。まあ映画の冒頭でSicarioの意味は説明されるんですけど、ね……。ちゃんと分かった上で見直したら評価変わるかもしれないのですが、初見だとクライマックスで主人公(と思っていた)が置いてきぼりになってしまうのでぽかーんでした。面白いと思うわけが無い。あ、主人公がスカウトされたのは『CIA職員は、国内では単独で活動できないという制限があるため』だったと途中で明かされたのですが、初めて知る豆知識でした。FBIは州をまたいだ国内犯罪捜査、CIAは主として国外での諜報活動って棲み分けなのは知ってましたけど、そんな制限あったんですね。あと映画内では特に描写が無かったのですが絶対DEA(麻薬取締局)もいたはずで、確かにこれらの職員の合同捜査というのは、実際どうなるのか良く分かりません。

■のぞきめ
つまらかった……。ネタバレしますよ。主演の板野友美がもう駄目。全ての台詞が棒読みで芝居が全然駄目。それに加えて、スタッフに作品愛が無い。実に雑な作りでがっかりしました。原作は読んでませんがもっとマシなんですよねたぶん? 暗く狭い隙間から覗いてくる目玉『のぞきめ』による祟りが物語の主題なのですが、主人公の女性ADは最後まで呪いにかかりません。なのでのぞきめによる怪異はすべて伝聞なのですね。主役は被害を受けない。だから怖くない。その『のぞきめ』は、昔主事金目当てに殺された六部行者の怨霊という設定なのですが、なぜ『覗く目』という形の怪異となったのか、まったく語られません。祟りの元となった六部の行者も、なぜか『女性とその娘』ということになっており、そんな組合せの行者がいるかよと……。女性の修験者が子連れでおおっぴらに旅なんかできるわけはないのですが。原作では父親と娘だったのでは? 自我の未発達な幼児の方が祟りのもとになったというのもおかしな話に思えます。子供の祟り、子供の幽霊ってあまりメジャーじゃないですよね? 最後に主人公が押さない娘の怨霊によって、物理的に土の中に引きずり込まれるのですが、これは原作では『泥』のはずだと思います。それまでずっと『のぞきめ』の怪異と泥はセットであると描写されていたのですから。過去の六部殺しも豪雨の中で行われ、死体の隠蔽(埋葬)も雨の中で行われたため、『泥に埋められた』というのが怪異の元となった現象であると理解できたのですが。そのすぐ後ろにあるシーンで、主人公が『土』の中に引きずり込まれて死ぬことになるというグダグダっぷり。主役の板野友美がドロドロになるのを嫌がったのか、それとも特殊撮影の人が泥は面倒臭いから土にしようと言ったのか、予算の都合かは分かりませんが。原作に対する愛が無い。リスペクトが無い。どうしてこんな雑な作り方になるのか、理解できません。

■ドクムシ
コミック原作らしいですが未読。ソウやCubeなどと同じ、ソリッドシュチュエーションですね。見知らぬ男女7人が学校のような建物の中に閉じ込められ、やがて殺し合うようになるという話。結論から言うとこれもつまらなかった。つまらないので遠慮無くネタバレします。最初の殺人の引き金になるのが暴力男によるレイプなのですが、まずこれが全くやる気のない画でして、絶対入ってねーだろという適当な姿勢と動き。女優や事務所の意向で遠慮しなけりゃならないのであればそもそもキャスティングミスだし、どうしても写せないならそれはそれで演出的に回避ができるでしょう。これは物語的には『人を殺す』というハードルを最初に飛び越えるための重要イベントの位置付けだと思うんですが、被害女性が犯人を苦しみ憎む動機だと言われると、そんなだったか? と思ってしまいます。そんな感じでダラダラ適当にストーリーが進行し、最後にネタばらしが行われるんですが、どうしてそういうシチュエーションになったのかというと、『地震が起きた』と。救急隊員が気を失った7人を作りかけの避難施設に運び込んだら、『偶然システムの不具合で全出入り口が封鎖された』と。でかい地震だったから、混乱してたから、その要救助者を10日あまりも放置してたっつうんですかね、アホすぎでしょ。ギャグ作品でもないのに、こんなくだらないシナリオで制作にGOが出るって、どういうことなんでしょうか。まったく腹立たしいです。金と時間を返せ〜。


ホラーって本当に当たりが少ないな。まあ今年は最初にイットフォローズがあったから、マシな方か。
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