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2016年04月14日23:38

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「人生は小説よりも奇なり」 「偉大なるマルグリット」

6日は 「人生は小説よりも奇なり」、

7日は 「偉大なるマルグリット」、

9日は 「ボーダーライン」
     「モヒカン故郷に帰る」、

11日は 「DOG LEGS」
      「光のノスタルジア」、

13日は 「ルーム」
      「もしも建物が話せたら」、

14日は 「真珠のボタン」
      「バナナ・パラダイス」を観に行きました。





「人生は小説よりも奇なり」、

長くパートナーとして暮らしたゲイのカップルが晴れて入籍
そのことがもたらす事態を描くドラマなのだが、
“ゲイのカップル”である必要はないのではないか…?というくらい
愛情や友情やそのための距離やそれらを育むための時間の意味を
静謐に真摯に描く優れて美しい映画なのだ。
マンハッタンに暮らすジョン・リスゴーとアルフレッド・モリーナの初老カップルは
入籍したお蔭で勤め先を解雇され
友人たちのマンションに分散して世話になることになるのだが、
その肩身の狭い生活
受け入れ家庭に起きる様々な軋み…が丁寧に描かれ
どんなに好きな友人でも一緒に暮らすと厄介だ…という当たり前に
2人の他者がカップルとして39年連れ添うということの意味が
照射されるのだ。
甘くもないし 苦くもない ことさらにゲイライフに寄らず
差別を告発する風でもないおとなしいドラマは
愛する者を大切に思い 敬意を持って遇し 尊重する―
そしてそれを持続し続ける―ことが愛であり人生であることを
ラストの少年の涙が教えてくれる
ほんとうに上質な感動を約してくれる映画なのだ。
故に
邦題に難あり!(笑)





「偉大なるマルグリット」、

超がつく音痴なのに本人はそれを認識していない富豪の夫人が
リサイタルを開こうとするお話なのだけれど、
予告編の印象とは裏腹に 笑える愉快なドラマではなくて
20世紀初頭の抑圧された女性の心の在りように迫る
非常に苦い物語なのだった。
『ヒステリア』とか『危険なメソッド』と同じ
男性社会からの無言の抑圧に
自由でありたい女性の意思がいかに捻じ曲げられていたか? というお話で、
富豪であるばかりに 周りからいいように利用されるヒロインは
善き人であるだけに 気の毒で痛ましく
カトリーヌ・フロの見事な演技が“愛らしき善き婦人”を一層印象付けるので
前半の爆笑シークエンスとラストの落差に
ちょっと唖然とする映画なのだった。
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