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2016年04月06日22:11

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「砂上の法廷」 「無伴奏」 「牡蠣工場」 「LOVE 3D」 「蜜のあわれ」

2日は「砂上の法廷」
    「無伴奏」、

3日は「牡蠣工場」、

4日は「LOVE 3D」
    「蜜のあわれ」を観に行きました。




なんか どんどんたまって行くな…とほほ。
とりあえず短評で。





「砂上の法廷」、

『フローズン・リバー』のコートニー・ハントの新作…なのだが
“外”を失った法廷ドラマは前作と比すにはあまりに…。
キアヌ・リーブスも有能弁護士には見えにくいし
不倫が読めてしまうのは措いて
不倫が似合わない俳優のような気がする…かも。





「無伴奏」、

小池真理子の同名小説の映画化。監督は矢崎仁司。
ん…思惟太はやっぱり小池真理子が苦手。
薦められて「恋」を読んだだけだけれど なにこれ?これが直木賞?
とか思っちゃったんだよねー。
本作もまた「恋」と同じ時代背景で 冒頭からニザンの「アデン・アラビア」が引かれ
あ〜…また記号みたいな青春が…とうんざりしてしまう。
この人のドラマはね、萩尾望都や大島由美子や吉田秋生じゃなくて
一条ゆかりなんだよね。
面白くても 思惟太にはものすごく食い足りない。
本作もまさにそれでした。





「牡蠣工場」、

想田和弘の観察映画第6弾。
瀬戸内海に臨む岡山県 牛窓の
牡蠣の殻をむく作業所に取材したドキュメンタリー。
ルーシアン・キャスティーヌ・テイラーとヴェレナ・パラヴェルによる
漁船操業に密着する『リヴァイアサン』の神話的ダイナミズムとは正反対の
人の営みとしての漁業が静かに摑まえられているだけなのだけれど、
なんでこんなに面白いんだろう…と思ってしまう。
養殖筏から牡蠣を引き揚げる作業も
それを作業所に搬入する作業も
「カキ剥き」作業の見事な熟練も
中国人出稼ぎ労働者の暮らしも
南三陸町から移住してきた渡邊さんの語りも
初めての日本に不安を隠せぬ中国人労働者たちのドキドキも
本名は「ミルク」らしい白猫「シロちゃん」の堂々とした(あつかましい?)態度も
どれも均一に眺め渡すカメラを 我々は想田和弘と共に覗いていて
カメラのすぐ先に居る牛窓の牡蠣漁に携わる人々の息遣いを
その場で感じているような気がして来るのだ。
想田和弘のドキュメンタリーは面白い。 絶対に面白い。
そう思わない?





「LOVE 3D」、

ギャスパー・ノエの新作なんだけど なんでこれが3D ??
だってダメ男がフラれた女とのSEXを延々回想するお話で
“性交”を3Dで撮ることが目的であるような映画なんだよ。
SEXを3Dで観てどうする!てなもんじゃありませんか?(笑)
いきなり最初のカットから男性器女性器全開ですからね(もちろんボカシね)。
ま3Dに関しては人体に使用しても立体感が増す…ような感じではなく
部屋の奥行きが出てるかな…くらい。
やりたかったんだろうね…とは思うけれど
大画面からスペルマがこちらに向かって飛んで来た時はゲッと思ったよ(笑)。
これがポルノやAVと違うのは(よく判らんが)
女の喘ぎ声が排除されてることなんじゃないか?
より即物的に性交する男女を摑まえ
“愛”の名の下に行われる性行為を身も蓋もなく画にする…
ギャスパー・ノエはそう目論んでいて
観客に残酷な不愉快を耐えさせる―という彼の作法は
相変わらずなのだな…と思ったりした。





「蜜のあわれ」、

室生犀星の同名小説を石井岳龍が映画化。
へ〜…知らんかった、室生犀星ってこんなお話を書いてたのか。
老作家のエロい妄想みたいなお話じゃん。
面白かった!
しかし なんと言うか
二階堂ふみの赤子(金魚少女)がなければ成立しないような映画で、
すごいなー 二階堂ふみ。この人の映画外れないもの!
物語の最初から“これは幻想です”というのがお約束なので
一つ一つのエピソードが艶笑コントのように消化されるのだけれど、
金魚少女や幽霊が訪れる老作家の時間は愛しくも寂しく
命の儚さの前で一所懸命逡巡している…そういう風情が
ちゃんとじわっと滲んでいいて、
ブ男でコンプレクスの塊だったという 心優しい犀星の妄想の
なんと愛らしいことか!(老作家役の大杉漣はいい男だけど(笑))
妄想の在りようからして 犀星っていい人みたいだな…とか。
なんかね、もうこの金魚少女役だけで
二階堂ふみの女優賞決定してもいいと思うの。いやホント(笑)。
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コメント

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