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2016年03月26日18:06

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「シェル・コレクター」 「リザとキツネと恋する死者たち」

「シェル・コレクター」 ’16 (日・米)


監督:坪田義史 脚本:澤井香織,坪田義史 原作:アンソニー・ドーア
撮影:芦澤明子 音楽:ビリー・マーティン
m:リリー・フランキー,池松荘亮
f :寺島しのぶ,橋本愛


『美代子阿佐ヶ谷気分』の坪田義史がアメリカ文学を映画化。
『ヴェロニカは死ぬことにした』の日本での映画化が全くひどいものだったので
本作も恐る 〃 観てみたのだけれど、
原作未読とはいえ
こんなに面白くなくて 原作のよさが那辺にあるのか全く想像できないなんて
映画の出来がよろしくないに違いない…!と思ってしまった。
わけが分からないのはいい
しかし沖縄の美しい海の画が詩を紡いでいるのか…というと
私には全然そうは思えず、
基地問題とか 環境保護団体とか主人公の老学者にとっては“外”であるものどもが
具体的に胡散臭いのが「詩」を阻んでいて、
「詩」にならないから 原作の語るところが
自然への畏敬にあるのか 自然への親和にあるのか
淫らなほど旺盛な自然への讃歌にあるのか
少しも伝わって来ないのだ。
『美代子阿佐ヶ谷気分』がよかっただけに
本作の迷走ぶりは残念。
俳優はいいのに…ね。





「リザとキツネと恋する死者たち」 ’14 (ハンガリー)


監督:ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ
脚本:ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ,バーリント・ヘゲドーシュ
撮影:ペーテル・サマトーリ 音楽:アンブルシュ・テヴィシュハージ
m:デヴィッド・サクライ,ゾルターン・シュミエド,ガーボル・レヴィツキ
  サボルチ・べデ・ファゼカシュ
f :モーニカ・バルシャイ

’14 ポルト国際映画祭 グランプリ
’14 ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭 審査員賞,観客賞


予告編にめぐり会わなかったので 全くの素で観たのだけど…
お、面白かったー! 超ヘンテコな映画だった!
時は70年代、共産国家ハンガリー。
元日本大使未亡人宅に住み込んで彼女の世話をしているリザ30歳は
書棚の日本製三文恋愛小説に夢中で
夫人の古いレコードの歌手“トミー谷”のユーレイと仲良し(!)。
夫人が亡くなり 古いアパルトマンを相続したリザは熱心に婚活を始めるが
相手が次々に死んでしまう。死の陰にはキツネの影が…(!)。
不審に思った警察が捜査に乗り出すが…というお話(!)。
何と!那須の九尾狐がモチーフで
ハンガリー製昭和歌謡を日系のデヴィッド・サクライが歌い踊る
死者続出のロマコメなのだ!
…と書いてもどんな映画か判らないよね。でもこんなヘンな映画が
ハンガリーではハリウッド映画を押しのけて大ヒットしたらしい。
そもそも“キツネ憑き”ってのが解かるんかなー、ハンガリー人?
作中の歌謡曲も日本オタクの監督が作曲家と創作したらしいし
「死者」とか でかでかと漢字が現れるし(深作欣二へのリスペクトらしい)
売れっ子CMディレクターで長編初監督だというカーロイ監督は
先日の『サウルの息子』やタル・ベーラ『ニーチェの馬』からは想像できない
驚きのハンガリー映画を披露してくれて、
いやホントにびっくりポンだす!(笑)
この面白さは観ないと解からないのだけど
こちらでは1週間限定上映でもう終わっちゃってるし、
せめて公式サイトでトレーラーを観るか
You Tube で検索して奇妙奇天烈な昭和歌謡を聴いてみて下さいませ!
(ちなみに曲名は「ダンスダンス☆ハバグッタイム!」(笑))
リザを捜査する刑事がひたすらひどい目に遭うのが笑えます(笑)。
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