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2016年03月14日09:10

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影の主役、クルド人の話。

トルコ首都の中心部で大規模な爆発、34人死亡・125人負傷
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=3896700

トルコは全土の安全を図るため、クルド人も統治下に置きたい。
クルド人は自治政府を置いて自治するなり独立するなりしたい。
クルド人の自治地域がトルコ内でくっきりと分かれていればいいが、
木の根のように深く細かく、いろいろな密度で分布していて、どう線引きしても、
線の内側でも外側でも問題になるのは必至だ。
ゆえに、一手先の血みどろのテロ合戦が目に入るなら、トルコは一切の妥協ができない。

クルド人はトルコ全体から見ると少数民族なので、テロによりトルコに対抗中。
拡大を図るISとクルド人は利害が対立するので、彼らとも戦争中。
トルコもまたISの拡大を防ぎたく、ここだけで三つ巴の関係が成立している。

ところが実はクルド人はさらに、トルコだけでなくシリアを含む中東にまたがる地域を自民族の国としてまとめ、独立したい。
ゆえにシリアに目を向ければ、クルド人も含む反政府勢力と、
独裁者である(とされる)アサド政権が対立していて、
アサド政権をロシア、反政府勢力をアメリカが裏から支援していたところに
ISが急速にはびこり、現状に至る。
ここでもまた単体で三角関係が成立し、仲の良くないトルコ&シリアの問題もあって、見事に複合的な四角関係まで成立する。

アメリカを始めとする西側諸国は、シリアのアサド政権を倒し民主化したいため、
クルドなど反政府勢力を支援。
旧来からのつながりがあるロシアはシリア政府軍を支援。
そこに第三の勢力として表れたISに米露双方が攻撃しているのが現状。

ここにサウジアラビア、イスラエル、イラク、イランなどの思惑を組み合わせれば、
敵同士をたどっていくと味方にたどり着くような面倒臭い関係を、
何重にも重ね合わせたような複雑怪奇な相関関係が出来上がる。
敵のどこかをやっつければ味方のどこかが不利益を被る。
爆弾なんか持ち出す以前に、とてもじゃないが解決できる手順は見出せない。

表向きのキーマンがISやシリアだとすれば、裏のキーマンはクルドだ。
話題に上るトルコやシリアにいるのはもちろんのこと、
イラクの時にも問題と戦力の一部になったし、イラクの敵であるイランにもいる。
そして全ての国に百万人規模で存在する、無視できないサイズの少数民族である。
また少数民族というと可愛そうなイメージが先行するが、
彼らの自治勢力圏内ではより少数の民族が虐げられていて、
アメリカにせよロシアにせよ、彼らが力を持つことは避けたい。

結局、支援したいが調子に乗ってもらっては困るので、本気で支援することはできない。
誰かを人道支援しようにもそれは誰かの不利益になる。
籠城して飢餓にある人々がかわいそうだからと食べ物を送れば、
包囲している側からすればそれは利敵行為に他ならない。

よくもまあこんな地域に手を突っ込む気になったものだと思うが、
かといって手を突っ込まないわけにもいかない。
世界の多くの国にとってここはエネルギーの供給源である。
嫌でも何かしなければ、自分が飢えるだけである。

将棋ではこのような局面を千日手という。
他の手を指せばいいのだが、たちどころに不利になるので他の選択肢はない。
将棋なら4回同じ局面になれば引き分けだが、現実世界にそんなものはない。
少なくとも西欧が自己の文明に目覚め、一定の国力を持ったアレキサンダーの時代から、この千日手は続いている。
あのあたりには千夜一夜物語というものがあるが、いつか一夜の夢のように思える日が来るのかどうか。
いつか終わるという願望の方が、夢幻のような気もする。


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