老夫婦と猫の雛祭り

　猫のイークンも雄で女性はカミさん一人だけですが、娘の家では七段の雛飾りを出せるスペースがないとあって10年以上種子島で飾っています。記念撮影も老夫婦だけでは寂しいので、イークンも一緒にと撮ろうと待ち構えていたのですが、アウトドア派のイークンは、一度外へ出るとお腹が空かないと帰宅しません。午後3時過ぎリハビリから帰ってきたら、その気配を察知したのか、玄関から一緒に入りました。

　取り敢えずイークンが食事を済ませるまで待機。左足に力が入らずシャッターを押してからカ素早くメラのところに行けないので、リモコンのシャッターを購入したのでした。イークンを取り逃がすわけにはいきません。イークンはその空気を察知したのか足早に立ち去ろうとします。そうはさせじと二人して取り押さえ、カミさんが抱きかかえます。

　単独で撮る分にはイークンも心得たもので、モデルのようにポーズをとってくれるのですが、抱かれるのが嫌いのため、なだめすかすのが大変です。なにしろメイクーンタイプで体が大きく力も強いです。カミさんの力では4〜5枚写すだけで精いっぱいでした。写真を撮り終えたら二人とも、何だか大仕事が済んだような気分でした。

　翌日、生前雛祭りを楽しみにしていた母の墓前に、今年も飾ったことを報告しました。墓場の前の通りには、松月桜の並木が八分咲きながら、青空に映えていました。