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2016年03月01日23:01

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「ディーパンの戦い」「ジェンダー・マリア―ジュ」「破戒」「NINJA THE MONSTER」「ゾンビスクール」「天河伝説殺人事件」「女が眠る時」

23日は「ディーパンの闘い」
     「ジェンダー・マリア―ジュ」、

24日は「破戒」
     「NINJA THE MONSTER」、

28日は「ゾンビスクール」、

29日は「天河伝説殺人事件」
     「女が眠る時」を観に行きました。





短評を…

「ディーパンの闘い」、

『予言者』のジャック・オディアールの新作。
2015年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。
偽装家族として難民認定を受け
パリ郊外の集合住宅で暮らすことになった男の物語。
素晴らしかった!!
クライマックスの階段での銃撃シーンの演出にシビレます!
たぶんここが、『タクシードライバー』が引き合いに出される所以なのだ。





「ジェンダー・マリア―ジュ」、

08年に同性婚を認めたカリフォルニア州は半年後
同性婚禁止の「提案8号」を住民投票で可決。同性婚は無効となる。
この「提案8号」を人権侵害だとして訴えた2組のカップルの
5年に亘る裁判の経緯に取材したドキュメンタリー。
なんと言うか…ドキュメンタリーなんだけど設えられたドラマみたいだ!
ゲイ&レズのカップル4人にしても(そもそも彼らは
訴訟用に周到に選別された2組のカップルなのだ)、
弁護士チームの面々にしても、
有名俳優が演じて少しもおかしくない台詞や展開だ。
全面勝利の大団円までアメリカ映画的じゃないの…。
というわけで
抜群に面白いドキュメンタリーなのです。





「破戒」、

生誕100年記念映画祭 市川崑 光と陰の仕草 の1本。
62年作品。もちろん島崎藤村の原作。
原作未読なのだけれど
有名すぎる瀬川丑松が部落民であることを公にするまでの物語は
アップの登場人物たちの苦悩の表情をひたすら眺め
内奥を吐露する彼らの長い台詞を聞き続ける…そんな印象の映画だった。
苦悩が言語化されて朗々と語られていて
ドストエフスキーの小説みたいだな…とか思ってしまった。





「NINJA THE MONSTER」、

松竹が海外向けに製作したディーン・フジオカ主演の忍者アクション。
海外向けということで、一応江戸時代のお話だけれど
笑っちゃうくらい設定がいい加減でファンタジーにしたってちょっとなぁ…(笑)。
でもでも 女性のお客さんで一杯なのに驚いた!
朝ドラの五代さまの威力だよね、すごいなぁ…!





「ゾンビスクール」、

給食のチキンナゲットを食べた小学生がウィルスによりゾンビ化
ダメダメ教師の面々と小学生ゾンビの追いかけっこが始まる…
というB級映画なのだが、『ゾンビランド』を越える―というアオリに偽りあり
いくらあり得ないダメ大人のダメ教師といえども
いくらゾンビ化していようと
大人が小学生をぶち殺す…という倫理的に受け入れがたい展開を
どう笑えと言うのか…と呆れてしまった。
『ゾンビランド』に失礼だと思うぞ…!





「天河伝説殺人事件」、

同じく市川崑の特集上映の1本。内田康夫 浅見光彦シリーズの映画化。
観たことなかった…91年の映画なのか…。
横溝正史シリーズと同じ俳優陣が出演しているせいか
横溝ミステリーの禍々しさがないことを物足りなく感じたかも…。
日本家屋の重厚さ 能面の深い陰影…それらが導くには
犯人岸恵子の人生は薄味に感じてしまった。
浅見光彦のミステリーはもっとライトなイメージだなぁ…。





「女が眠る時」、

09年の『千年の祈り』以来久しぶりのウェイン・ワン作品は
スペインの作家ハビエル・マリアスの小説の映画化作品で
なんと!日本映画なのだ。
長く作品を書いていない小説家がリゾートホテルで
親子ほども歳の離れた謎めいたカップルに惹かれ
密かに彼らを観察するのだが…というお話。
現実と妄想が交錯し どこまでが現実でどこからが妄想か
どこまでが現実でどこからが創作か
どこまでも曖昧な境目に惑乱される 映画。
どのようにも読める作りは面白いともあざといとも感じられ、
ウェイン・ワンはこれを何を軸に見せたかったのか
今一つはっきりしないように思われる。
確かに一つは「官能」なのだろうが
ビートたけしを初老の男 佐原にした時点でエロチシズムより
得体の知れない不穏な何者かを語り出してしまい、
それに感応する西島秀俊もストーカー行為や覗きのエロスではなく
存在の不安に身体感覚を侵されているように見え、
結局 彼の不健康を延々眺めている気になって
決して面白い鑑賞ではないのだった。
よかったのはデニールの薀蓄を語るリリー・フランキーの
胡散臭い商店主だけかも…。
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