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2016年02月04日01:07

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経済談義第15回:需要供給曲線

すっかり間が空いてしまいましたが、経済談義シリーズ第15回です。日本経済超悲観派の僕がその論拠を解説していきます。



前回はアベノミクスの物価(インフレ率)目標について取り上げました。 「通貨数量説」にもとづいて日銀は「黒田バズーカ」を発射したわけですが、思うように物価は上昇していません。
原油安が理由に挙げられていますが、貨幣数量説が本当に正しいのであれば、あれだけ莫大な通貨供給が原油安程度でそうそう押し返されることはないはずです。
そこでしばらくの間、バズーカがどうして効果をあげないのか、今の日本で物価がなぜ上がらないのかを考えていこうと思います。


さて、物価について考えるにあたっては、価格決定の重要理論である
「需要供給曲線」
が必要になってきます。
この「需要供給曲線」について説明したいと思います。


まずはWikipediaで調べてみましょう。
Wikipediaで「需要と供給」を参照すると、「競争市場では、需要と供給(じゅようときょうきゅう)が一致することにより市場価格と取引数量が決定される。」
とあります。そして掲載されているのがこの図です。(Wikipediaから引用)経済学のどの教科書にも必ず出てくる図です。


このグラフは、市場価格と商品の量の関係性をあらわしたもので、横軸に数量をとって、縦軸には価格をとってあります。
そして、市場の参加者である供給者(生産者)と需要者(消費者)が、市場価格の変化に対して生産量と消費量をそれぞれどう変化させるかを、2本の曲線で図示したものです。

2本の線のうち、まず生産曲線のほうですが、このグラフでは右上がりになっています。これは、

●生産量が「増える」と⇒価格は「下がる」

という関係です。逆にいうと、

●生産量が「減る」と⇒価格は「上がる」

ことになります。これは理解できますよね。野菜が不作で品薄になると値段が上がったりします。


もう一本の需要曲線ですが、生産曲線とは逆に右下がりになっています。これは、

●市場価格が「上がる」と⇒消費者は購入量を「減らす」

●市場価格が「下がる」と⇒購入量を「増やす」

ということです。スーパーで牛肉と白菜が安くなれば、今晩すき焼きでもしようかなと考える人が現れるわけです。


図ではこの2本の曲線が交わっています。このことにより、以下のようなサイクルが発生します。
「価格が高すぎる」 ⇒ 「消費者の購入量が減る」 ⇒ 「市場にものがだぶつく」 ⇒ 「価格が下落する」
「価格が安すぎる」 ⇒ 「生産者が生産を減らす」 ⇒ 「品薄になる」 ⇒ 「価格が上がる」

上記の流れが繰り返されることにより、市場価格と生産量がグラフの真ん中、2本の線が交わる点(均衡価格と均衡取引量)に調整されていくことになります。



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