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2016年01月30日22:56

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「モンスターズ 新種襲来」

今日は もう1作 「消えた声が、その名を呼ぶ」 を載せたかったのですが、
このトルコによるアルメニア人ジェノサイドを扱った作品について
アトム・エゴヤンの「アララトの聖母」はすぐに思い出せたけれど
確かもう1作第1次大戦のあたりにトルコ軍が登場する映画があったよね…
あれはアルメニア人とは関係あったのかな??と気になりだし
タイトルを思い出すのに時間を弄してしまい
感想文にたどり着かなかった…です。とほほ。
(ちなみに映画はミルチョ・マンチェフスキ「ダスト」でした。
時代的にも地理的にも近いけど
トルコ軍はマケドニア革命組織と戦っていた…)

なので本日は
ギャレス・エドワーズの出世作―の続編。
前作を観ていないのですが…
お、面白かった!!
これは前作も観なくては…!と思いましたもん(笑)。





「モンスターズ 新種襲来」 ’14 (英)


監督・脚本:トム・グリーン 脚本:ジェイ・バス
製作総指揮:ギャレス・エドワーズ
m:ジョニー・ハリス,サム・キーリー,ジョー・デンプシー,カイル・ソーラー


09年の『モンスターズ/地球外生命体』の続編。
ギャレス・エドワーズによる前作を観ていないが、
この前作の成功によって彼は『GODZILLA』の監督を任されたのだ。
低予算映画ながら高い評価を得たお蔭で続編が作られたわけだが
続編の監督はトム・グリーン。
前作の設定そのままモンスターが世界に蔓延する16年後のお話になっている。
まず思ったのは
これがモンスター駆逐に奮闘する人類を描いた映画ではなくて
それは前作もそうであったのだろう…と推測できる作りであるということ。
モンスター殲滅のための爆撃により中東では一般住民に被害が続出、
それは武装勢力の台頭を招き
モンスターの跋扈する砂漠地帯で人間同士が戦争している―これが背景。
軍隊に入る以外まともな道を選べないアメリカ貧困地区の遊び仲間たちが
新兵としてこの地帯に投入されるが
彼らの過酷な体験が綴られるだけ…の映画と言っていいかもしれない。
彼らはモンスターと戦うわけではなくて
武装勢力との戦闘で次々と命を失って行く。
映画はその過程を克明に追っているのだが そこから浮かび上がるのは
人間こそがモンスターである…というアイロニカルな真実なのだ。
砂漠の民に救われた主人公の青年は夜中の砂漠で
モンスターが胞子を分散する幻想的なシーンに遭遇し感動する。
モンスターはそこにいて生殖しているだけで
積極的に人間を襲ったり 互いに殺し合ったりしない。
一人生き残った青年を導く優秀な上官フレイター軍曹の軍務への偏執こそが
最もモンスターの呼称にふさわしくないか??
人類にではなく人間性に大いなる害をなす…という意味において。
これはそういう映画。
なので、地球外生命体であるモンスター VS. 人類の攻防という
単純明快なアクションを期待する観客には大ブーイングだと思うが、
不毛な戦争を性懲りもなく繰り返し 決して已むことのない人類を
大いなる高みから俯瞰するつもりで観るならば、
これは優れて面白い映画であると思う。
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