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2016年01月29日22:09

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全容解明を脇に置き一件落着したいだけ

それにしても、安倍政権では閣僚の辞任が目に余る。ほとんどが「政治とカネ」にまつわる問題である。
政治をゆがめないためにも、カネの扱いに十分に注意を払うのが、政治家にとってキホンのキのはずだ。

今日の北海道新聞〝卓上四季〟

まさに「一寸先は闇」といったところか。
金銭授受疑惑が報じられた甘利明経済再生担当相が、突然辞任を表明した。
安倍晋三首相は続投方針だっただけに、あまりにふに落ちない。

きのうの記者会見では金銭授受は認めても調査は道半ばとしていた。
職にとどまるのは「政治家の矜恃(きょうじ)」にかかわるとはいうが、新年度予算成立や参院選への影響を気にした末、全容解明を脇に置き一件落着させようとしているとしか思えない。

それにしても、安倍政権では閣僚の辞任が目に余る。ほとんどが「政治とカネ」にまつわる問題である。

個人からの寄付は、政治信条への共感などから応援する意味合いが強い。しかし、企業•団体献金は、何らかの見返りを求める場合が多い。
政治をゆがめないためにも、カネの扱いに十分に注意を払うのが、政治家にとってキホンのキのはずだ。

こうも不祥事が続くようでは、抜け道の多い政治資金規正法の抜本改革や企業•団体献金の全面禁止は待ったなしである。
政治とカネの問題で、与野党対立が繰り返されることぐらい不幸な事態はない。

アベノミクスを支えた円安•株高に陰りが見えてきた。
輸出でもうけた企業の内部留保が増える一方で、働く人にその果実が行き渡らない。老後の暮らしの糧も不安なままだ。
身近で切実な問題が置き去りにされるならば、国民は政治不信どころか政治を見限るだろう。