鎌倉近代美術館

つぶやきにも書きましたが、今月末で閉館してしまうと聞いて、神奈川県立近代美術館鎌倉館（通称鎌倉近代美術館）に行ってきました。

この鎌倉近代美術館は鶴岡八幡宮の境内という珍しい立地にあり、参拝のついでに立ち寄るなど、市民のみならず多くの神奈川県民に長年にわたって愛されてきました。
今回、現在の地主である八幡宮と契約更新がまとまらなかったことによりやむなく閉館に至ったという事情だそうです。（ちなみに開設時にはこの土地は国有地だったのだそうです）


訪れてみると、今回は最後の展示ということで、名残を惜しむ多くの市民でにぎわっていました。収蔵作品と館の歴史に関する資料を出し惜しみせず飾っているので、普通の展示会と比べると展示の密度が高くて盛りだくさんな感じでした。


この美術館の建物は坂倉準三という建築家の作品で、平家池の水面の上に浮かぶような空間設計と、中庭の柱や壁面に大谷石を使っている点が特徴です。大谷石の粗さのある質感がなんともいえない温かみを醸し出していて、そこから平家池を眺めるととても安らいだ気持ちになるのです。
美術館は全国各地に多々ありますが、そのほとんどは冷たい感じの建物で、特に近代美術館でこれほど穏やかな雰囲気のところはほかにはないと思います。


最後の週末、混雑が予想されますが、行ける範囲の人はぜひ訪れてみることをお勧めします。