「クリムゾン・ピーク」

「クリムゾン･ピーク」　’15 (米)


監督：ギレルモ･デル･トロ　脚本：ギレルモ･デル･トロ，マシュー･ロビンス
ｍ：トム･ヒドルストン，チャーリー･ハナム
ｆ　：ミア･ワシコウスカ，ジェシカ･チャスティン


「パシフィック･リム」でオタク全開してしまったギレルモ･デル･トロが
ゴシック･ホラーに回帰した印象の映画。
ん〜…でも「パンズ･ラビリンス」の美しき寂寥
禍々しき孤独 哀しき思慕…等はここにはなくて、
幽霊を見る体質とはいえ ヒロイン イーディスは
作家を目指す開明的な女性だったのに、
なんで没落貴族の怪しい男に溺れるかね？？という違和感が
終始付きまとったままで 二人の恋愛に惹かれないものだから、
義姉ルシールと夫トーマスとの関係が明かされても
全くドキドキできないのだった。
燭台を持った寝間着姿のワシコウスカが重厚な造作の屋敷の中を歩き回る画は
確かに大変美味しいのだけれど、
トム･ヒドルストンの寂しく不幸な佇まいも
ジェシカ･チャスティンのただならぬ悪意を秘めた眼差しも
ゴシック･ホラーに資することこの上ないのだけれど、
いわゆる“そういう映画”以上ではないような気がする。
ここまでそういう映画をやるのなら
やっぱりラストは
屋敷が沼に呑み込まれて沈んでしまわないと…ね。
ポー「アッシャー家の崩壊」を期待してしまうじゃないですか！(笑)