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2015年12月29日11:04

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久保田幸生、田舎芝居、消防団

昔から疑問に思っていつつよく判っていない事の一つに、ヴァージンVSの久保田幸生さんという存在。ムーンライダーズ人脈とは全く関係のなさそうな、このギタリストがどういう経緯であがたさんとバンドを組むことになったのか。

2011年11月21日「あがた森魚 地理B 第5章:あがた森魚の80年代/ヴァージンVS」(代官山 山羊に、聞く? )で、質問してもらいましたが、あがたさんからは「うん、他にいなかったんだよ」みたいに答えられてしまい結局謎は謎なまま。

そんなわけで多少なりとも久保田幸生さんについて判っていることを記録しておこう。

自分の手元にある記録で一番古いものは、ニューミュージック・マガジン1974年2月号の「今月のニューミュージック RANDOM NOTES」の記事。

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田舎芝居は、京都を中心に活躍しているバンドで、ジャグ・バンド的なスタイルの音楽を得意としているグループ。ジ・クエスキン・ジャグ・バンドや古いカントリー・ブルースなどに興味を持っていた仲間が72年の秋頃に集まってできたのがスタート。73年の秋頃からは、久保田幸生(ギター、ハープ)、蓮池(バンジョー、ギター)見子陽一(フィドル)、平松利浩(ベース、ウォッシュタブ・ベース、フラット・マンドリン)、杉江吉隆(ドラム、ウォッシュボード)の5人に、セッションでマモル(キーボード)を加えた編成でステージ活動をしている。11月に京都のシルクホールで行われたコンサートでは、「ダイナ」「サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」などを楽しく演奏していた。現在、京都の「拾得」に出演している。
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ということで、京都出身、しかもジャグ・バンド、カントリー的な音楽をやっていた人だった。それが一体なぜにあがたさんと、パンク・ニューウェイブ寄りなバンドをやることになったのか。

また同じニューミュージック・マガジン1974年5月号では、北中正和さんが東京の「いちごの目覚まし時計」という喫茶店で行われたライブをレポートしている。
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3月21日に出演した田舎芝居は京都からやってきた田舎芝居は京都からやってきたジャグ・バンド(ジャグはほとんど使わない)だ。ウォッシュタブ・ベースやウォッシュボードを使った、楽しい演奏を聴かせる。レパートリーにはジム・クェスキん・ジャグ・バンドのものが多いが、それらを日本語に直した歌の多かった前半は、ボーカルの弱さなどもあり、ルーズで隙間風が吹いているような出来。これではせっかくのユニークな音楽性が生かしきれない。しかし後半「東京ブギウギ」や「ダイナ」のような古い歌謡曲をアレンジしたのをやるようになって、ようやくくつろいだ厚みのある演奏を聴かせるようになたt。のればすごく楽しいバンドだ。
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レコード・デビューもしたようで、何枚かLPを出している模様。
画像は1976年にキャニオン・レコードから発売された「THE RIVERSIDE HONKY-TONK」というLP。

その後、正確な年月はわからないのだけどこのバンドは解散し、どういう経緯かたぶん1978年頃に「消防団」というバンドを組み、何故かしらあがた森魚の事務所(?)「日本少年スタジオ」に所属することになる。
ちなみにここに所属していたのは、あがたさん、消防団、渡辺勝、竹田裕美子、木村幸子、ジェームス・ウデスキー。

木村幸子って誰よ?
ジェームズ・ウデスキーって外人?
といったさらなる疑問をはらみつつも、消防団についてもう少し調べると、メンバーも判った。
久保田幸生、木村シンペイ、棚沢潤、湯川一龍

ここでようやく、木村しんぺいさんが登場。ヴァージンVSていうのは、消防団のメンバーから引き抜いたわけだな。
と言いつつも、このバンドはどんなバンドだったかは全く情報なし。
確か黒瀬先生が一回ライブを見た記憶があると聞いたことがあります。

レコードが出たかどうか知らなけれど、ライブの記録は残ってて(ぴあ関東版情報)

1978年
05/17 北千住 甚六屋
06/07 吉祥寺 ぐゎらん堂
06/23 高円寺 百輪堂(石渡冬彦)
07/09 吉祥寺 のろ
07/10 西荻窪 ロフト(渡辺勝&ダックスフンド)
07/30 相模原 TALLO
08/04 木更津 ヤンズ(渡辺勝)
08/05 千葉  MOTHERS(渡辺勝)
09/13 吉祥寺 ぐゎらん堂
09/30 松戸  ぺいんと・ぺーじ
10/29 吉祥寺 曼陀羅
11/10 埼玉  のらろば
12/23 吉祥寺 のろ(乱太郎バンド、中塚正人&池之内和人)

1979年
01/17 京都  磔磔(あがた森魚、渡辺勝)
01/18 梅田  バーボンハウス(あがた森魚、渡辺勝)
01/20 京都  拾得(あがた森魚、渡辺勝)
注:()ないは対バン。

なお、久保田幸生さんは、80年代に入ると劇団「ブリキの自発団」の音楽を担当するようになり、ヴァージンVS解散後も継続して関わっていた模様。この劇団の前身である劇団「魔呵魔呵」にあがたさんが結構関わっていたのでその関係から知り合ったのかと思う。ちなみに「ブリキの自発団」という劇団名も「ブリキ・ロック」からヒントを得たもの。
またこの劇団との関わりから銀粉蝶のバンド「ぎんみ&ザ・ピンクス」の楽曲提供も行っている。

第二回公演「卵のふる街」(代田橋 旧真空館劇場 1982年)
第四回公演「カナリヤ 冒険小説」(新宿 アシベ・ホール 1983年)
第五回公演「卵の楽園」(新宿 TINY ALICE 198年)
第八回公演「最後から二番目のナンシー・トマト」(下北沢 ザ・スズナリ 1984年)
第十回公演「小さな王国」(練馬区羽沢 氷川台T2スタジオ 1985年)
第十一回公演「夜の子供」(下北沢 ザ・スズナリ 1986年)
第十二回公演「かくも長き快楽」(下北沢 ザ・スズナリ 1986年)
第十三回公演「柔らかい肌」(渋谷 パルコ・パート3 1987年)
第十七回公演「椅子の下に眠れるひとは大いなる家を作れる人の子供らか」(日暮里 サニーホール 1989年)

その後、音楽専門学校の講師をやられたれりした模様。


余談
最近、久保田幸生さんが参加したカセットブック「GGPG」が出品されたのだけど、29800円て値段付けられては手が出ねええええ。
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